比嘉家
石川「これ すばらしいね。 和彦君のお父さんが?」
和彦「はい。 沖縄の昔の暮らしぶりが 詳しく書かれてます。 この村のことも。 父は いつか これを 本にしたかったんです。」
石川「立派なお父さんだったんだね。 俺藻 教師として 子どもたちに もっと沖縄のこと やんばるのことを教えてあげたいと 常々 思ってはいるんだけど…。」
和彦「やっぱり やんばるはいいですね。 暢子も 生き生きしてるし。 健彦は くたくたになるまで遊んで。 僕も いつかは この島に住んで 夢を実現できたらと。」
石川「夢?」
和彦「父の意志を継ぎ このノートの続きを書いて 本をまとめることです。」
石川「く~っ いいね! 出版されたら 是非 読ましてもらうよ。」
和彦「問題は その『いつか』が 一体 いつになるのか。 沖縄に住んで もっと 沖縄に向き合いたいです。」
石川「夢がかなわん その理由は?」
和彦「やっぱり いろいろ事情が…。 僕の仕事は 依頼を受け 原稿を書いて送ればいいから どこに住んでいても できるけど こっちで暮らすなら 暢子は せっかく出した店を 手放すことになってしまうし…。」
石川「なるほど…。」
暢子「はい ハンダマの白和え。 ジーマミーも入れてみたから 食べてみて。」
良子「うん。 頂きます。」
良子「うん マーサンヤー! やっぱり プロの料理人は違うね。」
暢子「やんばるの野菜が新鮮で デージおいしいから。」
良子「すぐそこの畑で取れているからね。 うん。」
暢子「ん~! 何でかね やんばるの野菜がおいしいって 初めて身にしみて感じるわけ。 どんなぜいたくで 珍しい食材も ここの野菜には かなわないと思う。」
良子「それは 褒め過ぎ。」
暢子「本当さ。 久しぶりに畑を手伝って うちも やんばるで 畑をやって暮らしたいと思った。 畑にいると楽しくて 時間も忘れて ちむどんどんして たまらないわけ!」
良子「だったら もう やんばるに帰ってきたら?」
暢子「そんな簡単にはいかないさ。 いろいろあるさ…。 東京のお店のこいと 和彦君の仕事のことも。」
山
歌子「話がある。」
智「えっ?」
歌子「レコードデビュー できるかも。」
智「レコード? この前 お店で歌わせてもらった時 レコード会社の人に 名刺をもらって。」
回想
レコード会社社員「民謡歌手として レコードデビューしてみないね。」
歌子「えっ?」
回想終了