レストラン・フォンターナ
オーナー室
房子「八百鶴の彼が 熱?」
暢子「すみませんが お店に出るのが ちょっとだけ 遅れてしまうかもしれません。」
房子「今日は 休みなさい。」
暢子「えっ? いいんですか?」
房子「彼 こっちに身寄りは いないんでしょう? 店は 大丈夫。」
暢子「はい。 ありがとうございます。」
(ノック)
房子「はい。」
二ツ橋「失礼します。 オーナー。 元八百鶴の智さん スナガワフードの配達に来たんですが 別の人で。 智さんの具合が 悪いようです。 明日からの仕入れ 変えておきますか?」
房子「暢子さんに聞きました。 鶴見の県人会の皆さんが 助けてくださるでしょう。 変わらずで。」
二ツ橋「さすがオーナー 同感です。」
玄関前
賢秀「おかしいなあ。」
直美「賢秀さ~ん!」
賢秀「あっ…!」
直美「遅くなりました~!」
賢秀「直美さん! 全然 待ってません!」
樋口「多田さん 待ってよ。」
直美「社長の樋口さんです。」
賢秀「あっ ああ…。」
樋口「本日は お招きいただき ありがとうございます。」
賢秀「あっ いえいえ…。」
樋口「あの せっかくのご厚意なので 仲間を呼んでしまったんですが。 お~い。」
社員「こんにちは。」
社員「こんにちは。」
社員「こんな店 初めてだなあ。」
社員「直美は 幸せ者よ。 こんな店で お祝いしてもらえるなんて。」
賢秀「お祝い?」
社員「婚約披露のお食事会って聞いたけど。」
直美「違うってば そんな会じゃないの。 すみません。」
賢秀「皆さん! 今日は 遠慮なく どんどん食べてください! ねっ ハハハハ…!」
ホール
賢秀「すいません! あれ 早く早く…! 特上のランチを 人数分で。」
矢作「あいにく 特上のご用意は。」
賢秀「えっ?」
矢作「こちらのランチを人数分で よろしいでしょうか。」
賢秀「しょうがないなあ。 じゃあ それと おすすめの 値段の高いワイン。 ボトルで 人数分。」
矢作「ボトルで人数分? グラスではなく?」
樋口「いいんですか? 昼間から 僕らまで。」
賢秀「飲まずにいられます? こんな めでたい日に! 人数分!」
矢作「かしこまりました。」
賢秀「はい! だけど 直美さんが そんなに…。 皆さんも 驚いたでしょう?」
社員「はい。 もう びっくりで。 ねえ。」
社員「全然 知らなかった。 社長と直美のこと。」
賢秀「え…? ちょっと待って。 婚約するのは… 誰と誰?」
直美「私と…。」
樋口「私です。」
社員「よっ ご両人!」
社員「末永く お幸せに!」
(拍手)
社員「おめでとう!」
山原小中学校
職員室
良子「私のせい?」
教頭「誠君 今日も 登校していませんよね? 原因は みんなの前で 良子先生に 強く叱られたからだと。」
回想
良子「誠 ちゃんと前を向いて。 何回言えば 分かるの? 立ってなさい。」
回想終了