豚小屋
賢秀「アベベ 明日は これで あれなんか見返してやるからよ!」
(鳴き声)
良子「ニーニー! 早くお風呂入って!」
賢秀「長男に命令するな!」
良子「ニーニー!」
賢秀「だからよ! 何でかね?」
翌日
賢秀 良子「あ~!」
暢子「ありえん。 どうしたわけ?」
良子「アベベに やられてしまったさぁ。」
優子「何で ズックと体操着が アベベの所に?」
良子「ニーニーが 置き忘れたって。」
賢秀「体操着着て寝るって言ったくせに 何で気付かないわけ?」
良子「ぽってかす! 無責任!」
賢秀「だからよ。」
良子「お母ちゃん!」
賢秀「もういいよ 諦めるしかないさぁ。」
暢子「ニーニーが悪いんでしょ。」
賢秀「だからよ。」
優子「良子は?」
歌子「運動会 休むって。」
優子「良子 待っていてね。 今 洗っているから。」
優子「遅刻するよ。 うちらは 後で行くから。」
賢秀「ごめん 母ちゃん。」
優子「いいから 早く。」
賢秀「行ってきます。」
歌子「行ってきます。」
暢子「行ってきます。」
優子「行ってらっしゃい。」
山原小中学校
(号砲)
(ホイッスル)
優子「遅くなりました。」
善一「間に合った。 次 次 歌子。」
優子「あっ 間に合った。」
アナウンス「『次は 小学3年生のかけっこです。 3年生は 入場門に集まってください』。」
善一「チバリヨー!」
玉代「頑張れ~!」
キヨ「頑張れ~!」
善一「歌子ちゃ~ん!」
優子「歌子!」
善一「歌子ちゃん 頑張れ!」
「位置について…。」
回想
智「腕振れ!」
和彦「太もも上げて!」
智「腕振れ もっと! もっと腕振れ!」
和彦「頑張れ! もっと足上げて!」
智「頑張れ!」
回想終了
「よ~い…。」
(号砲)
島袋「フライング!」
優子「頑張れ~!」
暢子「頑張れ~!」
賢秀「宇宙パワー!」
(ホイッスル)
善一「アイヤー…。」
賢秀「アキサミヨー。」
(拍手)
島袋「大ビリ 大ビリ。 インチキしてもビリ 笑わせるな~!」
(笑い声)
「ありがとうございます。」
「おいしいよ おいしいよ。」
史彦「すごい。」
賢秀「はあ… おなかすいた。」
史彦「あっ 歌子ちゃん!」
善一「あっ 歌子! 頑張った!」
(拍手)
歌子「お母ちゃんに 喜んでもらいたかったのに…。」
優子「歌子は優しいね。 頑張っていたよ!」
智「歌子。 俺にとっては 歌子が1等賞。」
(拍手)
歌子「ありがとう。」
智「1等賞。」
歌子「うん。」