あらすじ
昭和48年3月、聡子(安田美沙子)がロンドンへ旅立つ。糸子(尾野真千子)は優子(新山千春)から、離婚して北村(ほっしゃん。)と東京へ進出すると改めて聞き、一緒に行こうと強く誘われる。迷う糸子は、八重子(田丸麻紀)から美容室を閉めて長男のもとへ引っ越すと聞き、はかないモードに左右される洋服作りを、東京で続けることへの疑問を話す。すると八重子が思いがけないものを見せ、糸子は洋服作りの初心を思い出す。
126回ネタバレ
小原家
寝室
(小鳥の鳴き声)
玄関前
(泣き声)
聡子「おばあちゃん。 これが 聡子の顔やで。 忘れんといてな!」
千代「分かった 忘れへん。」
聡子「うん。」
糸子「行くで そろそろ。」
聡子「ほな 行ってきます。」
松田「行っちょいで。」
木之元「行っちょいで。」
八重子「気ぃ付けてな。」
木之元「頑張りや!」
昌子「ちゃんと 御飯食べて 元気でな。」
木岡「行っちょいで!」
千代「聡子! 行っちょいで!」
聡子「行ってきます!」
木之元「気ぃ付けてな!」
<昭和48年3月 聡子が ほんまに ロンドンに行ってまいました>
優子の店
優子「あの聡子がなあ。 うちより 直子より先に 海外 行ってしまうやて。 笑うわ ほんま。 ありがとう。」
糸子「あんた 東京 出るんか?」
優子「ああ… うん。」
糸子「離婚するんか? 悟さんと。」
優子「うん。 そのつもりです。」
糸子「言わんかいな そんな大事な事。 何で うちが 北村から 聞かな あかんねん。」
優子「すんません。 お母ちゃん 心配するやろ思てな。」
糸子「するやろけどな そのための親やろ?」
優子「うん。 お母ちゃんは?」
糸子「ん?」
優子「東京 出えへんの?」
糸子「うん。」
優子「北村のおっちゃんから聞いたけど 悪い話 ちゃうと思うで。」
糸子「なあ あんたらな。 東京 東京て 何で そない 東京 行きたいねん?」
優子「そら やっぱし 経済でも文化でも 東京が中心やもん。 うちらアパレルが 本気で会社を 伸ばしていこう思たら まずは 東京が拠点やないと 話になれへんねんて。 例えば うちの構想はな まずは 東京に本店を構えて そこから ばあ~っと全国に 店舗を増やしていく。 確認しといて。 ほんでな 5年後には 店舗を50店 売り上げを30倍。 ほんでな それを基盤にして…。」
<聞くんは聞いてたけど 優子の話を うちは 何も おもろいと思えませんでした>
小原家
玄関前
美代「糸ちゃん お帰り。」
糸子「ただいま。」
美代「聡ちゃん あんじょう 飛行機 乗ったけ?」
糸子「うん おかげさんで。 おおきに。」
美代「うん。」
居間
八重子「アハハハ! もう ちょっとで ええよ! もう!」
昌子「ええやないですか! もう 誰に気兼ねする事も ないんやさかい。」
八重子「まあ せやけどなあ。」
千代「おちょうし まだ つけよか?」
糸子「あ… ええて お母ちゃん! 昌ちゃん 行って!」
昌子「はい。 おかあさん うちが やりますよって。」
千代「え~ え?」
昌子「うちが やりますよって。」