平良家
建設業者「会長 お世話になりました。」
三郎「気にすんなよ。 ゆいまーるっつってなあ 困った時は お互いさまよ。」
建設業者「失礼します。」
三郎「うん。」
三郎「暢子ちゃん いらっしゃい。」
暢子「こんにちは。」
三郎「あれだろ? 披露宴の衣装だな。」
暢子「デージすてき。 本当にいいんですか?」
多江「暢子ちゃんが 披露宴で着てくれれば 着物も喜ぶ。」
暢子「さっき 三郎さんに お礼言ってる人が いましたよね。」
多江「ああ 知り合いの棟梁さん。」
暢子「棟梁さん?」
多江「元請け業者と もめたみたい。 うちの人は トラブルを収めるのが 仕事みたいなものだから。」
多江「暢子ちゃん 何かトラブル抱えてるの?」
暢子「トラブルといえば トラブルなんですけど…。」
多江「和彦君のお母さんとのこと?」
暢子「あっ いえ 実は…。 あっ いえ 大丈夫です。 フフッ…。」
多江「和彦君のお母さんに 毎朝のお弁当 まだ続けてるの?」
暢子「はい。 今度 改めて フォンターナに お招きしようと思ってます。」
多江「フォンターナに?」
暢子「はい。 料理人としての うちの仕事も 知ってもらいたいと思って。」
多江「私は もちろん 暢子ちゃんと和彦君の結婚に賛成だし 応援もしてるけど 和彦君のお母さんの気持ちも分かる。」
暢子「ん?」
多江「生まれ 育ちが違えば 習慣や考え方も違う。 当然 暢子ちゃんと和彦君のお母さんも。 自分とは違う生き方を認めるのは 簡単じゃないしね。 自分と 誰か ほかの人の生き方を比べても しかたのないことなんだけど。」
暢子「多江さんも 自分と誰かを比べて 悩んだことがあるんですか?」
多江「暢子ちゃんが困った時には 必ず力になるから 何でも相談してね。」
暢子「はい ありがとうございます。」