夜ドラ「作りたい女と食べたい女」(第12回)

野本「ん~! すっごい いい匂いだね。」

春日「はい。」

野本「種も使うなんて知らなかった。 ペクチンという食物繊維が含まれていて これによって とろみがつく… だって。」

春日「種も一緒に煮るんですね。」

野本「ねっ。」

野本「あっ とろみがついてきた。」

春日「はい。 いい匂いです。」

野本「ん~ 本当。 幸せな気持ちになるね。」

春日「これぐらいですかね。」

野本「うん いいね。」

野本「どうぞ。」

春日「ありがとうございます。」

野本「はい。 じゃあ いただきますか。」

春日「いただきます。」

野本「はい。 う~ん おいしい。」

春日「おいしいです。 ほっとします。」

野本「あっ これはお隣さんの分ね。」

春日「はい。」

野本「あっ 持っていく時に 私も一緒に ご挨拶に行こうかな。」

春日「そうしましょう。 野本さん。」

野本「ん?」

春日「いえ 何でもないです。」

野本「え? えっ 何?」

春日「いえ… そんな大した話ではないので 大丈夫です。」

野本「えっ 春日さん それは困ります。」

春日「え?」

野本「言いかけたら言ってくれないと 私 気になって眠れません。」

春日「そんな大した話では…。 あの…。 ロールキャベツって作れるんですかね。」

野本「え?」

春日「私 実は作ったことなくて 実家でも出たことがないんです。 手間がかかりそうですし。 でも 野本さんと一緒に 作れたらいいなと思って。」

野本「ロールキャベツ…。」

春日「はい。 あの立派なキャベツで。」

野本「ロールキャベツ 作りましょう。 絶対作ります。」

春日「本当ですか。 絶対…。」

野本「一番おいしいの 作りましょう。」

春日「楽しみです。」

野本「私もです。 ほっとしますね。」

春日「はい。」

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