春日「あの家にいると 私は私じゃいられなくなる。 私は 家のために 自分の人生を 消費したくないと思っています。 父に 家族を捨てるのかって 言われました。 そういうことに なるのかもしれません。 野本さんは 私を冷たい人間だと思いますか? でも 野本さんには 野本さんだけには 親を捨てるな なんて 言ってほしくないんです。」
野本「私は 春日さんのことを 冷たい人間だなんて 絶対 絶対 思いません。 春日さんは優しい人です。 私は 春日さんのことを 優しいところを たくさん知っています。」
野本「春日さんに 自分のことを 冷たい人間だなんて 思わせたお父さんを 私は許せない。 春日さんが 一番幸せでいられる場所にいて下さい。 春日さん 優しくいられる場所に いて下さい。」
春日「はい。」
野本「約束です。」
春日「ありがとうございます。」
野本「話してくれて ありがとう。 実は 少し元気なかったから 心配してて。」
春日「すみません。 ドーナツも クリームシチューも ありがとうございます。」
野本「私は… 私は 何があっても 春日さんの味方だからね。 私は 春日さんの悲しむ顔を 見たくないんです。 私は…。 私は…。 ううん…。 あっ 春日さん りんご食べませんか。 おいしそうだったので 今日買ってきて。」
春日「じゃあ 私がむきます。」
野本「うん ありがとう。 じゃあ お願いします。 あっ 2個で足りますか?」