夜ドラ「作りたい女と食べたい女」(第1回)

マンション

廊下

春日宅

(チャイム)

野本「夜分にすみません。 あの… 夕飯は お済でしょうか…?」

野本宅

春日「それで こちらのルーロー飯を 私に ご馳走して下さると…。」

野本「あの… 作るのが趣味で たくさん作ってしまって その… お裾分けっていうんですかね こういう場合…。 昨日 ちょうどお話ししたので お顔が浮かびまして…。 あっ すいません! 何か… 気持ち悪いですよね。 片づけます。」

春日「本当に私が食べていいんですか?」

野本「えっ? はい もちろん。 というか 食べて頂きたいんです。」

春日「私に。」

野本「はい…。」

春日「では ありがたく頂きます。」

野本「はい! どうぞ。」

<無言だ…>

<どんどん減っていく 山盛りのルーロー飯を見ながら どうして作るのが好きなのか 思い出した。 私は いいお母さんになりたいからとか いい奥さんになりたいから 料理をしているわけじゃない。 私は ただ おいしいものをたくさん作りたくて おいしいって食べてもらいたくて…>

野本「すごい。 全部食べ切っちゃった。」

春日「ごちそうさまでした。 ありがとうございます。 おいしかったです。」

<だから ずっと探していたんだ>

野本「こちらこそ ありがとうございました。」

<一緒に お鍋を空っぽにしてくれる人を…>

スポンサーリンク







シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする

スポンサーリンク