古波蔵家
寝室
恵里「お母さん! お母さん!」
勝子「あなたの子でしょう? しっかりしなさい。」
静子「そうよ 恵里ちゃん ほら 頑張って!」
ウシ「はい もう一息だからね ちばりよ!」
勝子「恵里 しっかりしなさい!」
居間
恵達「お父さん見てると いらいらする!」
恵文「そんな事 言ってもよ!」
恵尚「俺 ダメ こういうの苦手さ。 ちょっと 出てこようね。」
恵文「ダメだよ! 恵尚。」
恵尚「え? 何でよ?」
恵文「ここにいないとダメさ。 お前のかわいい妹が 頑張ってるんだよ。 逃げたらダメ! それに俺達は 文也君の分も オロオロしないとダメ。」
恵達「お父さん…。」
恵尚「分かったよ!」
恵文「まだかねぇ 大丈夫かね? 恵里は。」
北栄総合病院
古波蔵家
寝室
勝子「あと少しだよ 恵里!」
静子「頑張って 恵里ちゃん!」
ウシ「さあ いくよ! 出てくるよ!」
恵里「文也君!」
北栄総合病院
文也「恵里!」
古波蔵家
居間
(産声)
恵文「あ!」
恵尚「ああ!」
恵達「産まれた?」
恵文「おばぁ?」
ハナ「産まれたよ! 元気な男の子が 産まれたさ!」
恵文「やったさ!」
恵達「やったさ! 姉え姉え。」
恵文「いいの? 行っていいの?」
ハナ「もう少し 待とうね。」
一風館
容子「男の子だって。」
(歓声)
北栄総合病院
奈々子「はい 分かりました。 ありがとうございます。」
2人「やった!」
文也「産まれた?」
奈々子「男の子だそうです。 母体も 赤ちゃんも 大丈夫だそうです。」
文也「そうですか? 男の子!」
祥子「でも 何で分かったんですか? 今。」
奈々子「そうよ。 何で 走ってきたんですか?」
文也「恵里が読んだから。」
祥子「え?」
文也「男の子かぁ! やったぁ!」