居間
勝子「あれ? そういえば 恵達は?」
恵文「そういえば 朝から見ないね?」
恵尚「出かけたよ あいつ。」
勝子「そう?」
恵尚「何かよ 格好いいね あいつ。」
ハナ「何で?」
恵尚「昨夜も 夜中まで曲を作ってたのか 詞を書いてたのか 遅くまで やってた。 朝『俺 海を見てくる』と でかけていったさ。 恰好いいね あいつ。」
静子「うん 恰好いい。」
勝子「そうかねぇ?」
静子「あの助産婦さんも恰好よかったな。」
恵尚「だからよ…。」
静子「『ダカラヨ』ねぇ。」
恵尚「今の ウチナーグチ ちょっと変だね?」
静子「え? ダメ?」
恵尚「ダメ!」
恵尚「そうなわけ。」
静子「『ソウナワケ』よねぇ。」
恵尚「ちょっと違うよね?」
静子「あ~ ダメか!」
ハナ「あの産婆さん 自分では 子供を 産んだ事の ない人でねぇ。」
静子「え?」
ハナ「でも『取り上げた子供の数で 一つの町が出来る』と言ってたさ。」
恵文「(せきばらい)」
勝子「何? 文ちゃん。」
恵文「あれだね ハハハ…。」
勝子「だから 何?」
恵文「名前を決めないといけないし ね?」
勝子「ああ 名前かぁ!」
ハナ「であるね!」
勝子「うん!」
恵尚「名前ね?」
恵文「ホラホラ 用意してあるさ!」
寝室
文也「見てると 飽きないね。」
恵里「フフフ…。」
文也「あのさ 恵里。」
恵里「ん?」
文也「名前なんだけどさ…。」
文也「『どうかな?』と思う名前が あってさ。」
恵里「私も あるよ。」
文也「何て名前 考えたの?」
恵里「文也君から どうぞ。」
文也「じゃ 一緒に言おうか?」
恵里「うん いいよ。」
2人「せ~の!」
恵里「え?」
文也「何だ 一緒か?!」
恵里「うん。 決まりかな。」
文也「うん。」
2人が どんな名前を つけようとしているのかねぇ。
勝子さんの心配そうな顔も 気になるさ。 答えは明日だよ
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