ダイニング
柴田「え~! 恵達君と 祥子ちゃんが?」
文也「なんか お似合いですよね。」
柴田「はい…。」
恵達「ああ そうですか。」
文也「うん。」
柴田「はぁ。」
恵達「あ!」
文也「ん?」
恵達「ひょっとして 柴田さん 彼女を…。」
柴田「え? …え? もう ヤダな そんなとことないよ。 本当に。」
恵達「はぁ。」
柴田「何で 恵里さんが 不機嫌なわけ?」
恵達「いや だから 分かんないんですよ。」
文也「俺は 分かるけどなぁ。」
恵達「え? 何ですか?」
柴田「ああ なるほど。」
恵達「え? 柴田さん。」
柴田「分る気が しますねぇ。 いや あの 僕にも 妹がいるもんですから。」
文也「そうなんですか?」
柴田「はい。」
恵達「え?」
柴田「ああ でも…。 似ている あの恵比寿のパブに。 似ている…。 大学に入って 初めて いった合コン。 僕は働いた。 見せを決め 料理を決め 集金をし 席を決め 僕は 一生懸命 働いた。 それなりに盛り上げて 皆を笑わせて 二次会の場所も 決めて レジで精算して 振り向いた瞬間 僕は気づいた。」
柴田「 ああ 僕を除いて 男性5人 女性5人 ちょうど 偶数 なぜ 僕は 奇数にしてしまったか。 あれ? なぜ 僕だけが余るように してしまったんだろう。 あの恵比寿のパブに… 似ている。」
文也「恵里 チョット やいてるんだと 思うよ。」
恵達「え?」
文也「特別だからな 恵里と恵達はさ。」
恵達「え?」
柴田「そうですねぇ。」
文也「ええ。 じゃないと 姉え姉えのために 俺を殴りに来たりしない。」
恵達「あ いや あれはさ…。」
グアテマラ
恵里「そうですかね。 そんなに 特別ですかねぇ。 そうかな。 普通だと思うけど…。」
真理亜「でも 普通じゃないよ。」
恵里「そうですかぁ。」
容子「うん 確かに 普通のきょうだいより きずなが深いって感じ するよね。」
恵里「そうですかねぇ。」
容子「うん 恵里ちゃんはどうか 分かんないけどさ 恵達君はさ ず~っと 恵里ちゃんの事 守ってきたのよ。 ず~っとさ。 だからさ 恵里ちゃんは 恵達君が自分のもとを離れるのが 寂しいのよ それで なんか くやしいんだ。」
そうかもしれんねぇ。 姉え姉えというのは 容子さんの言うとおり そういうところ あるのかも…
マンデリン
文也「寝た?」
恵里「うん 寝た。」
文也「そっか。 恵里さ… 恵達 気にしてたよ。」
恵里「え? そう…。」
文也「行ってあげなって。」
恵里「いいさ そんなの。」
文也「ほら 行けって。」
恵里「チョット…。」
文也「はい 行ってらっしゃい。 和也の事は 気にしなくていい。 俺 見てるから。 ね。」
恵里「うん。」