北栄総合病院
ナースステーション
祥子「あ~。(あくび)」
奈々子「あ~。(あくび)」
恵里「こんにちは。」
祥子「あ!」
奈々子「ああ どうしたの?」
恵里「はい もうすぐ お休みが あけるので 婦長に ごあいさつをと 思いまして。」
奈々子「そっか。 いよいよ戻ってくるか。」
恵里「はい。」
祥子「ちょっと。」
恵里「どうしたの? 祥子ちゃん。」
祥子「こないだは あの… ごめん。」
恵里「何で 謝るの 祥子ちゃんが…。」
祥子「いや『何で』って。」
恵里「恵達 よろしく頼むよ。」
祥子「え?」
恵里「ん?」
祥子「恵里… ありがとう。」
恵里「でも 大切な弟だからさ 厳しいよ 私は。」
祥子「あ はい よろしく お願いします。 あ そのうち 恵里のこと『姉え姉え』なんて 呼ぶのかな 私。」
恵里「は?」
祥子「え? あ 何でもない。」
恵里「恵達さ 冷静ぶってるけど あれは 意外と弱いとこあるか。 例えば…。」
祥子「え? ウソ!」
恵里「これからも いろいろ 教えるから。」
祥子「うん。」
恵里「あ その代わりと言っては なんですけど…。」
祥子「何?」
恵里「不安なんだよね 久しぶりの職場復帰。」
祥子「うん。」
恵里「いろいろ 助けてね お願い。」
祥子「分かりました… 厳しいよ 私。」
恵里「え?」
(2人の笑い)
恵里「また…。」
奈々子「チョット 何 コソコソやってんのよ。 感じ悪いわよ あんたたち。 ん?」
恵里「何でって ねえ。」
祥子「ねえ。」
奈々子「『ねえ』じゃないわよ 何なのよ 教えなさいよ。 教えて 教えて!」
秀美「どうしたの。」
祥子「あ 婦長。」
恵里「あ! あの 婦長さんですか? 初めまして 私 上村と申します。 来月から また お世話になるので そのごあいさつをと思いまして。」
秀美「ああ あなたね。」
恵里「はい。」
秀美「子供 何か月だっけ?」
恵里「はい 8か月です。」
秀美「まあ じゃ 頑張って。」
恵里「はい ありがとうございます。」
秀美「というか あんまり 期待も してないけどね。」
恵里「はい… え?」
秀美「佐々木さ~ん。」
奈々子「はい!」
秀美「滝本さんの退院計画のこと なんだけど…。」
奈々子「今 ご家族と話し合ってます。」
秀美「あ そう 中町さ~ん。 502号室の患者さんのことだけど。」
祥子「はい! …じゃあね。」
秀美「いつも こんな専門用語で 説明してるの?」
祥子「あ いえ 患者さんには ちゃんと 分かりやすく説明しています。」
秀美「今まで こうだったの?」
祥子「いえ 今日は たまたまです。」
秀美「患者さんには 常に分かりやすく! やり直し。」
祥子「はい。」
さあ いよいよ 恵里は 職場に 復帰だねぇ。 でも 何だか 大変そうだねぇ
126話へ