ダイニング
恵達「おう。」
恵里「何?」
恵達「は? 何 そっちこそ。 だから 何?!」
恵里「低学年のころは よかったねぇ。」
恵達「は? どこがよ。」
恵里「うるさいな。 よかったわけ。」
恵達「ああ そうですか。」
恵里「そうさ…。 フフフ…。 恵達。」
恵達「ん?」
恵里「祥子ちゃん いい子なんだからね。 メチャクチャ いい子なんだからね。 不幸にした 承知しないよ。」
恵達「分かったよ 分かったけどさ。」
恵里「何よ?」
恵達「いや 別に『結婚する』って 言ってるわけじゃないんだからさ そこまで…。」
恵里「何? あんた そんな気持で つきあうわけ?」
恵達「『そんな気持』ってね 自分たちと 一緒にするなってば。 いきなり 結婚なんかしないさ 普通は…。」
恵里「何ね それは チョット…。」
恵達「何がよ。」
恵里「まあ いいや。 でもさ 恵達。」
恵達「ん?」
恵里「ひとつ聞くけど…。」
恵達「はい。」
恵里「あんたさ 姉え姉えを…。」
恵達「ん?」
恵里「姉え姉えを… 女として 意識したこと あるの?」
恵達「は?」
恵里「どうなの? 無理もないとは思うんだけど。」
恵達「プッ! ハハハハ……。」
恵里「何? チョット 恵達。」
恵達「ハハハハ いや『何』ってね。 ハハハハ。 ああ 苦しい。」
恵里「何で… 何で 恵達。 いい加減にしなさい。」
恵達「ハハハハ…。 だってさ。」
恵里「だって 何よ? いい加減にしなさいってば。」
恵達「ハハハハ…。」
恵里「何よ!」
恵達「ハハハハ いや… ハハハハ。」
恵里「何よ!」
これからも 今までと同じように 仲のいい姉と弟で いなさいねぇ 恵里 恵達
スタジオ
恵達♪『小さな手の中に 隠したものは いつか未来に咲く 希望の種さ 祝福は風に乗り』
そして 決心のついた恵達は 自分で歌うことにしたのです。 どうして 男の決心というのは 女が きっかけなのかねぇ
恵達♪『旅立つ君の 道を照らすよ 一歩ずつ 一歩ずつ 探しに行こう』