恵理「おいしいねぇ ねえ 祥子ちゃん。」
祥子「おいしい あ ごめんなさい。」
恵理「もういいさぁ。」
容子「でも 恵理ちゃん 大丈夫なの?」
恵理「大丈夫ですよ。」
容子「そう?」
みづえ「(ため息)」
容子「あら ヤダ みづえさん ため息なんか ついちゃって。」
みづえ「あ いえ。」
容子「どうしたの? 最近 おかしいよ。」
みづえ「何でもないわよ…。」
恵理「あ 私も そう思ってましたよ。 なんか おかしいさ みづえさん。 何か あったんですか?」
みづえ「いいえ 何も…。」
真理亜「島田さん?」
みづえ「え? 何の事?」
恵達「分かりやすいですねぇ。」
柴田「ん? いや 島田さんが どうかしたんですか?」
真理亜「分かった。 島田さんが出ていった時の手紙。 あの手紙には 5年後の今日 必ず 迎えにくる」と書いてあった。 そうでしょう?」
みづえ「ウフ…。」
恵理「え? そうなんですか?」
容子「そうなの? みづえさん。」
みづえ「今日って訳じゃないんだけど 亡くなられた奥様の13回忌が 終わったら『必ず きみのもとへ 戻ってくるから それまで 待っててくれ』って 書いてあった。」
恵理「え~!」
祥子「なんか ステキ!」
容子「そうだよねぇ。」
柴田「で あの いつなんですか?」
みづえ「おとといだったの。」
容子「あ そうなんだ。 それで あんなにオシャレして 待ってたんだ。」
恵達「だから ドアが開くたびに ドキドキしてたんですね。」
みづえ「いや そんな…。」
和也「誰が 来るの?」
恵理「うん? あ そうか 和也は 知らないんだよね。 あのね 島田さんっていって 昔 住んでた人なわけ。」
文也「そっか 和也が生まれる前に 出てったんだね。」
恵理「うん。」
みづえ「はい このおじさんなのよ。」
容子「写真なんか 持ってるわけ?」
和也「この人 知ってる。」
恵理「え? 和也 知らないでしょ?」
和也「さっき アパートの前に いたよ。」
恵理「え?」
文也「本当か? 和也。」
和也「うん。」
容子「来てたんだ…。」
(ドアの開く音)
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