一風館
勝子「デパートが いっぱい あるんだねぇ。 楽しかった。」
容子「楽しかったねぇ。」
勝子「ねぇ 文ちゃん?」
恵文「は~い 楽しかったですねぇ。」
グアテマラ
(ノック)
勝子「あ いらしたんですねぇ。」
真理亜「え?」
恵文「真理亜さん 行きましょう ね。」
容子「行こう ほら。」
真理亜「どこに? いいです 私は…。」
恵文「まあまあ そう言わずに…。」
真理亜「いや まあまあじゃなくて。」
容子「は~い。」
真理亜「管理人さんも 行くの?」
みづえ「私も お誘い頂いたの。 洋服 これでいいかしらね?」
真理亜「はあ。」
勝子「恵達。」
恵達「あ ただいま。」
恵文「『ただいま』じゃないよ 行くよ。」
恵達「は?」
勝子「今日は 何の日ね? 恵達。」
恵達「え? ああ!」
ゆがふ
恵里「ありがとうございました!」
兼城「恵里ちゃん 疲れてないね?」
恵里「大丈夫です 若いですから。」
兼城「そう。」
(戸が開く)
恵里「いらっしゃいませ!」
容子「どうも…。」
恵里「あれ? どうしたの? 管理人さんまで。」
勝子「あ 店長さんですか?」
兼城「は。」
勝子「あの 私 古波蔵恵里と恵達の 母で ございます。」
兼城「あ どうも 兼城です。」
勝子「大変 お世話になりまして…。」
兼城「いやいや とんでもない 頑張ってますから 恵里ちゃんは。」
勝子「ありがとうございます。」
恵里「どうしたの? 皆で…。」
勝子「『どうしたの』じゃないでしょう」今日は 何の日?」
恵里「ん?」
兼城「今日は 沖縄が 本土に 復帰した日ですよねぇ。」
恵里「あ 私の誕生日だ。」
容子「恵里ちゃん 年ごろの女の子が 自分の誕生日 忘れちゃダメだよ。」
恵里「そうですよねぇ。」
恵文「ということでパ~ッと宴会さ!」
兼城「じゃ 皆さん 座って。」
恵文「座ろう 今日は 店長のオゴリだよ。」
兼城「は? …ま いいですよ。」
(一同歓声)
一風館
柴田「ただいま。 ん? 何だ? この静けさは…。 この空気 あの日に 似ている。 あの日曜日 寝坊して 遠足の 集合時間に遅刻していった あの 誰もいない学校に 似ている…。」