キビ畑
勝子「ねえ 文ちゃん。」
恵文「何でしょうか?」
勝子「いつか 話した事だけど…」
恵文「『いつか』? ああ 皆で 温泉 行くって話ねえ。」
勝子「違います。」
恵文「え? ああ はいはい『おばぁが 何で あんなに頑丈か』という…。」
勝子「違う。」
恵文「あれ 何だったっけね!」
勝子「分かってるくせに とぼけないで!」
恵文「はい『島を出たい』っていう話です。」
勝子「そうです。」
恵文「はい それが?」
勝子「私は あれから その話 しないけど あきらめた訳じゃないからね。 もっと強く そう思ってるさ 忘れないでよ。」
恵文「はい。 ちょっと休もうかね。」
勝子「まだ。」
恵文「はい…。」
勝子「休もうか?」
恵文「うん。」
勝子「ねえ 文ちゃん 少し体が 弱ってるみたいだね 和也君。」
恵文「ああ…。」
勝子「まだ中学生なのに あんなに 大人になってしますもんかね? かわいそうにね。」
恵文「うん…。」
こはぐら壮
夕食
勝子「無人島って 嘉弥真島の事?」
恵里「うん ね!」
和也「うん。」
恵文「長らく行ってないね あそこも…。」
和也「いいでしょう? お母さん?」
静子「でもね…。」
和也「お願い! ね? お願いします!」
勝子「大丈夫なの 和也君?」
和也「大丈夫です ね お母さん。」
静子「うん…。」
文也「お母さんも 行かなきゃ ダメだよ。」
静子「うん…。」
恵達「僕も行く。」
恵里「低学年は どうかね。」
恵達「やだ 絶対 行く!」
恵文「じゃ 行くかね 皆で!」
恵里「やった!」
嘉弥真島に向かう一行
恵里「ヤッホー!」
恵里「気持ちいいね!」