部室
恵里「練習 終わったよ。」
琉美子「お疲れさん。」
恵里「お疲れ様」
琉美子「恵里…。」
恵里「ん?」
琉美子「恵里は 何で マネージャーになろうと 思ったの?」
恵里「何? 急に。」
琉美子「何でかなと思って。」
恵里「う~ん 何でかなぁ。 ないからかな 自分のしたい事が。」
琉美子「そうなの?」
恵里「ん 自分でしたい事 まだ 見つからないから 人に乗っかってるだけかも知れないね。」
琉美子「ふ~ん。」
恵里「でもさ 私 応援するの好きさぁ 子供のころから。 自分が応援して その人が頑張ったりした時とか なんか… なんか いいさぁ うれしいんだよねぇ。」
琉美子「へえ。」
恵里「琉美子は? 琉美子みたいに学校のアイドルがさ 何で こんな地味で 疲れる仕事っていうかさ…。」
琉美子「うん。」
恵里「ん? 何で?」
琉美子「私ね 子供のころから メチャクチャ かわいくてさ。」
恵里「は?」
琉美子「ずっと モテモテだったの 男の子に。」
恵里「はあ…。」
琉美子「でもさ いっぱい 男の子に 好きだって言われてきたけど 私が好きになった男の子は 絶対 私の事好きになってくれない訳。 必ず そうなの。」
恵里「ふ~ん。」
琉美子「幸せになれない女なのかもね 私って…。」
恵里「ほう。」
琉美子「あ チョット 嫌みっぽかった?」
恵里「いやぁ ぎりぎり セーフかなぁ。」
琉美子「そう? よかった。」
古波蔵家
家計簿を見ながらため息を吐く勝子
ハナ「大変かねぇ。」
勝子「ええ まあ。 でも 那覇に 来たばっかりのころよりは 少しは よくなってますから。」
ハナ「そうだねぇ。」
勝子「うん。 あ そうだ。 来週から 午後も 仕事に出ていいですか? 市場の方で 惣菜売る仕事があるんですよ。」
ハナ「おばぁは 全然 大丈夫だよ。」
勝子「じゃ そうさせてもらいます。 よろしくお願いします。」
ハナ「悪いね 勝子さんには 働かん息子で。」
勝子「惚れて 一緒になってますから。 あの人が キビキビ 働き者だったら 気持ち悪いですよ。」
ハナ「そうだねぇ。 でも 長男は 駄目だねぇ。 私が 甘やかしすぎたかねぇ? どこの家でも 長男は 駄目さ。」
勝子「そうなんですか?」
ハナ「チョウナンです。」
勝子「は?」
勝子「あ ヤダ… お母さんたら…。」
ハナ「そういえば うちの長男 どんなしてるかねぇ?」