ナースステーション
奈々子「チョット… 私 言ってないからね 何も…。」
恵里「本当ですか~。」
奈々子「何よ? それ。 何で 私なのよ?」
恵里「…だって。」
奈々子「だって 何よ? 答えなさいよ。 何で 私なのかって 聞いてるの。」
恵里「いえ いいんですけどね。 全然 かまわないんですけど でも やっぱり チョット なんか 恥ずかしいなぁ ねぇ。」
奈々子「答えになってないわよ。 私じゃないわよ。 何で 私だと…?」
恵里「だって…。」
奈々子「だから だって 何よ?」
恵里「ねえ 婦長。」
聡子「え? ああ まあね。」
奈々子「何ですか? まあねって どういう意味ですか? 婦長。」
聡子「だって ほかにいないしね。 ウフフ。」
奈々子「チョット 待って下さいよ。 何でですか? そんなに 私は オシャベリ女に 見えるわけですか? 何で 黙るんですか?」
祥子「あの…。」
奈々子「何よ?」
聡子「何?」
祥子「あの… 私です。」
恵里「え?」
祥子「私が しゃべったの ごめんなさい。」
恵里「祥子ちゃんが?」
祥子「あのね 509号室の向井さんって 私の担当の患者さんですけど なんか 苦手っていうか 別に 問題はないんですけど でも なんか しゃべってくれなくて どうにかしたくて…。」
祥子「私自身も 余り しゃべるの得意でもないから 困ってしまって なんか 話題はないかなと思って 天気の話とかしても あっという間に 終わっちゃうし それで 知ってる人の話で 笑える話 ないかなと思って つい。」
恵里「笑える話?」
聡子「なるほどね。 」
奈々子「それで?」
祥子「はい。 古波蔵さんの話 したら なんか すごく 笑ってくれて 話が はずんじゃって。 私自身も すごく うれしくなっちゃって…。 ごめん。」
恵里「ごめんって 全然 いいんだけど。」
祥子「ん?」
恵里「笑うようなことなのかなぁ。」
祥子「うん 笑ってた。」
恵里「え?」
聡子「いいでしょ 泣くより…。」
恵里「そりゃ まあ そうですけど 真剣なんだけどな こっちは。 笑うようなことなのかな。」
奈々子「あ 私のことは どうなったんですか?」
聡子「何?」
奈々子「何って 私に対しての 冤罪というか その問題について。」
恵里「真剣なんだけどな 私は…。 笑うかな…。」
ああ 大丈夫なのかねぇ こんなんで 恵里は…