連続テレビ小説「なつぞら」第22話「なつよ、女優になれ」【第4週】

あらすじ

倉田先生(柄本佑)が指示する言葉の意味がわからないなつ(広瀬すず)。演劇の稽古を見ていた天陽(吉沢亮)は倉田に疑問を投げかける。すると倉田は、思わぬこと天陽たちに打ち明けた。そのころ剛男(藤木直人)は、山田正治(戸次重幸)とタミ(小林綾子)に、今後は牛乳を農協が一括管理してメーカーに売りたいと説明。ところが山田は、泰樹(草刈正雄)がそのことに反対しているのではないかと剛男にこぼし…。

22話ネタバレ

十勝農業高校

演劇部

なつ『ポポロ。 だけど 自分のことだけを 考えるわけにはいきません。 そもそも 私たちは その考え方が…』。

倉田「あ~ ダメだ! お前の セリフには 魂が見えてこないんだ! もっと ちゃんと 気持ちを作れ!」

なつ「はい…。」

天陽「魂なんて どこに見えるんですか? 魂なんて作れませんよ。」

<なつたちの演劇の稽古は ますます 白熱してゆきました。>

倉田「何が言いたいんだ?」

天陽「気持ちを作れとか 魂を見せろとか言われても 分からないと言ってるんです。」

なつ「天陽君…。」

天陽「なっちゃんのままでいては ダメなんですか? ほかの魂を作らなくちゃダメなんですか?」

門倉「おい 分かったようなこと 言ってんじゃねえよ!」

倉田「彼は よく分かってる。」

門倉「はっ?」

倉田「彼の言うとおりだ。 まあ 俺の言いたいことも ほぼ 彼と同じようなことだ。 登場人物の気持ちや魂なんて どこにもないんだ。」

なつ「えっ?」

倉田「これは ただの台本だ。 俺の魂は入っているが 役の気持ちや魂なんてものは存在しない。 それは これを読んだ お前ら 一人一人の中にしか 存在しないんだ。 役の気持ちや魂を感じるのは お前らの気持ちや お前らの魂だっていうことだ。」

倉田「つまり これを演じるためには 自分の魂を使って 演じるしかないんだ。 奥原は 自分の気持ちや魂を 何も動かしていない。 ただ ここに書かれている人物像をまねしようとしているだけだ。 それじゃあ 何も伝わらない。 奥原なつらしく 自分の気持ちや 自分の魂を見せるしかないんだよ。」

倉田「それが 演劇を作るってことだ。 よし。 じゃあ 俺は しばらく 口を出さんから まあ みんなで考えて作ってみてくれ。 いいな。」

雪次郎「なっちゃん 今ので分かった?」

なつ「何となく… 分かったような気もするけど。」

天陽「ごめん。 俺が 何か余計なこと言って。」

雪次郎「いや… 天陽は いいこと言ってくれたよ。」

なつ「ごめんね。 私を かばってくれようとしたんでしょ?」

天陽「つい イライラしちゃって…。」

雪次郎「先生に?」

天陽「なっちゃんの芝居に。」

なつ「えっ?」

天陽「倉田先生 怒っちゃったかな?」

雪次郎「いや あの先生なら 喜んでるわ きっと。」

門倉「つまり 気持ちや魂を見せろってのは もっと 根性を見せろってことだろ! 分かってんのか おめえら! おい!」

一同「はい…。」

良子「早速 分かったようなこと 言ってるよ。」

なつ「芝居って こんな難しかったのか。 表現って 難しい…。」

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