連続テレビ小説「あまちゃん」104回「おら、地元に帰ろう!?」

スナック・梨明日

(大吉の泣き声)

弥生「泣かないの。」

菅原「もう慰めなくていいですか? 先輩 涙っこ出てないし。」

弥生「昼の2時から 泣きっ放しだもんな。」

大吉「冷てえな チクショー! ずっと待ってたんだど! 俺は 24年間 ずっと待ってたんだど!」

弥生「昼の2時から こればっかりだもんな。」

菅原「大体24年って 琥珀さ比べたら… ねえ 勉さん。」

勉「んだ。 琥珀は 8,500万年前の樹液の…。」

大吉「樹液じゃねえべ! 俺は 大吉は 人間だもの!」

勉「うん。 うん!」

大吉「ユイちゃん… 何か 歌ってくれよ。」

ユイ「え?」

大吉「何でもいい! 84年の歌なら 何でもいい!」

吉田「それ 結構な縛りですよ。」

大吉「84年は譲れねえ! 俺と春子のメモリアルイヤーだから! 頼む ユイちゃん! 84年 1曲!」

♬~(『悲しみがとまらない』)

大吉「あ~!」

ユイ「まだ歌ってません。」

大吉「春子~!」

弥生♬『I can’t stop』

吉田「おめえが歌うな!」

黒川家

黒川「はい。」

春子「ありがとう。」

アキ「分がった!」

春子「何よ 急に…。」

アキ「さっきの鈴鹿さん 誰かに似てると思ったんだよ。」

黒川「似てる?」

アキ「んだ。 とにかく おらの事 クビにしたら 女優 辞めるがらなって 太巻さんに たんか切ったべ?」

黒川「そうなの?」

春子「ああ もしかして 夏さん?」

アキ「んだ! 夏ばっぱみでえだったべ?」

黒川「そうなの?」

春子「どうかな…。」

アキ「似でるよ 鈴鹿さんと夏ばっぱ。」

春子「似てるかどうかは 分かんないけど あの人のおかげで クビ 免れたんだから 感謝しないとね。」

黒川「アキ お前 クビなのか!? おいおい どういう事だ? パパ聞いてないぞ!」

春子「うるさいな…。 今 さんざん やって来たの それ。」

黒川「でも 僕 聞いてないから…。」

春子「聞いてない 僕一人のために 一から説明しなくちゃ いけないの? 根っからの 一人っ子だよね。 何か こう… イライラするわ!」

黒川「だって 意味分かんないよ! チャットしてたら 急に押しかけてきてさ 駄目出しされて…。」

春子「チャット チャット。」

黒川「ちょ ちょ…! 君だって…。」

春子「何よ?」

黒川「君だって 一人っ子じゃないか。」

春子「そうよ! だから 何よ!?」

アキ「おらも一人っ子だべ。」

黒川「そうだな うん。 ここには 一人っ子しかいない。」

アキ「一人っ子同士 仲良ぐやっぺ。」

春子「ああ すいません。」

黒川「いつまで いるの?」

春子「まだ分かんないけど 2~3日になるか 2~3年になるか。」

アキ「じぇじぇ!」

黒川「2~3日と2~3年じゃ 全然 違うよ。」

春子「何よ 迷惑なの!?」

黒川「そうじゃないけど…。 滞在期間ぐらい 知る権利あるでしょ。 ずっと待ってたんだから。 待ってたよ。 君が帰ってくる場面を ずっとイメージ…。」

アキ「でも 夏ばっぱは? 一人にして大丈夫か?」

春子「人の心配じゃなくて まず 自分でしょ? 何よ『帰りてえ 帰りてえ』って 泣いてたくせに。」

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