連続テレビ小説「あまちゃん」107回「おら、地元に帰ろう!?」

ナレーション『太巻の目に鋭い光が宿った。 クリエーターの目だ』

荒巻「じゃあ もう一回 頭 戻して 頭。 頭 戻して。」

<歌いだしを繰り返し聴いては スタッフに指示を出し また聴く>

荒巻「『じ』だけボリューム上げて」

録音・GMT5♬『地元に』

荒巻「そうそう そういう事。」

<その度に 楽曲に命が吹き込まれ 変化していく>

荒巻「ここで歌詞オフ!」

<まさに 太巻マジックだった>

荒巻「よし! 元に戻そう!」

河島「ファースト・インプレッションを 重んじる姿勢っていうんですか。 少年の顔と 何て言うか 商売人の顔とを 使い分けてますよね。 天才ですよね。」

数日後

荒巻「パッションだから!」

5人「はい!」

<数日後 ちょっとしたトラブルが発生する>

(CDをたたきつける音)

アキ「ママ…。」

春子「これ 取り直して下さい。」

<『地元に帰ろう』のラフミっクスを 聴いて メンバーの保護者の一人が クレームをつけてきたのだ>

春子「だって こんなの うちの娘の声じゃないもの!」

<スタッフに緊張が走る。 メンバーにも緊張が走る>

春子「私ね レコーディング立ち会ったんです。 この子たち こんなふうに歌ってな…。 何 撮ってんの!?」

東京EDOシアター
奈落

荒巻「1回ぐらい止めようか。 参ったな… 何が気に入らないのか 知らないけれど とりあえず もう一度 聴いてみましょうか。 河島。」

河島「はい。」

春子「何って…。 そのロボットみたいな 宇宙人みたいな声よ!」

荒巻「…ロボット?」

春子「何か やったでしょ 機械で。」

ラジカセ・GMT5♬『地元に帰ろう』

春子「ほら これ!」

荒巻 河島「フフフフフッ。」

春子「何よ 笑い事じゃないでしょ。」

河島「お母さん Perfume(パフューム)とか知ってます?」

春子「知ってますけど! 何 まねしたの!?」

荒巻「最初 聴いた時に 普通だったから ちょっと いじっただけ じゃないですか。」

春子「何で?」

荒巻「だって 面白くない。」

春子「だから 面白くないと 何が いけないの?」

荒巻「面白くないと売れないでしょ。」

春子「売れるためなら 何やっても 許されるっていう事ですか?」

水口「お母さん 今 社長 取材中だから…。」

荒巻「いい いい。 面白いから回していこうか。」

春子「ちょ… ちょっと!」

荒巻「大丈夫。 モザイクかけて 声も変えるから。 改めて 説明しましょう。 このGMTの基本的なコンセプトは 地方色を前面に打ち出していく。」

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