連続テレビ小説「あまちゃん」107回「おら、地元に帰ろう!?」

荒巻「つまり 素朴さとか 親しみやすさとか けれど それだけじゃ弱い。 インパクトがない。 だから あえて 対極に振ってみたんです。 テクノとか ハウスとか 近代的なギミックを引用する事で それによって生まれる違和感…。」

春子「要するに 奇をてらったって訳ね。」

荒巻「バッサリだな…。」

春子「よかれと思って やったんですね。 分かりました。 文句はありません。 まあ 売る事を考えるのが あなたたちの仕事でしょうから。 一つ 問題なのは 本人たちの了承を あらかじめ 得たのかっていう事なんですよ。」

荒巻「いいえ。」

春子「勝手にやったの?」

荒巻「はい。」

春子「どうして?」

荒巻「断る必要が ないと思ったからです。」

春子「どうして!?」

荒巻「時間が なかったから。」

春子「こっち向いて しゃべって。」

荒巻「プロデューサーとしての ひらめきを…。」

春子「アキは どう思った?」

アキ「え?」

春子「さっきの聴いて アキは どう思った?」

アキ「おら 何か変な感じって思った。 でも みんなは かっこいいねって 近未来だねって。」

春子「みんなじゃなくて アキは どう思ったの?」

アキ「変な感じって思った…。」

河島「おい 天野!」

春子「何 何? 何 何? 変なものを変って言ったら いけないんですか? ここでは。 この人 そんなに偉いんだ。 社長に 誰も意見とか できないんだ ここは。 私は嫌い。」

春子「こういうの大っ嫌い! こんなの 誰が歌っても 一緒じゃないですか。 大体 本人たちの許可も得ずに 勝手に 声 変えるなんて 歌い手に対する配慮が 足りないと思います!」

荒巻「なるほど。 貴重な意見 どうもありがとうございました。」

春子「いいえ。 まあ じゃあ いいや。 CDは これで いくとして 歌番組どうすんの? 太巻さん。 得意の口パクですか?」

荒巻「おい!」

水口「やめて 春子さん。」

春子「冗談じゃない! うちの娘 鈴鹿ひろ美と 一緒にしないで!」

荒巻「カメラ止めろ! 今の 絶対 使うな。」

3人「はい。」

しおり「鈴鹿ひろ美って 何? どういう事?」

荒巻「かなわんなあ! 素人が現場に 土足でズカズカ入ってきて偉そうに! 慈善事業ちゃいまんねえ。 商売やってまんねん。 どうせ売れんのに 要らん金 使いたないねん!」

しおり「どうせ売れん?」

荒巻「売れへんよ 君らなんか。 はっきり言うて GMTは企画倒れ! そやから こうやって テレビ 使(つこ)うて 回収できるとこから 回収しとんねん! 君らみたいなもんんが デビューできるだけでも ありがたいと せめて 親御さんには 思うてもらわんとな!」

春子「帰るよ アキ!」

アキ「え?」

春子「どうせ クビなんでしょ? こんな事務所 こっちから願い下げだけどね!」

荒巻「どうして 僕の邪魔ばっかりするんだ 君は。」

春子「こっちのセリフよ。 どこまで 器ちっちゃいの。 普通にやって 普通に売れるもん 作んなさいよ。」

春子「じゃあね! 行くよ。」

アキ「ママ…。」

春子「いいから。」

アキ「ママ!」

春子「いいから おいで!」

しおり「アキ? ねえ 待ってよ! ねえ アキ!」

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