連続テレビ小説「あまちゃん」121回「おらたちの大逆転」

病院

大吉「春ちゃん 来た。 春ちゃん みんな こっち。」

春子「あっ ああ…。」

弥生「早がったな。」

春子「何か お騒がせして ごめんね。」

かつ枝「アキは?」

大吉「大事なオーディションだと。」

かつ枝「ああ オーディション。」

大吉「どうだ?」

長内「うん。 さっきから 看護師が 出たり入ったりしてたけど…。」

弥生「春ちゃん 座っぺ 座っぺ。」

春子「あ~ ありがとう ありがとう。」

美寿々「夏ばっぱ ホントは とっくに 引退する年だもんな。」

かつ枝「んだ。 なんぼ元気だって 66だもの。」

弥生「急に 東京さ 行ぎだいって言ったのも 今 思えば 虫の知らせだったかもしれねえな。」

長内「やめろ。 縁起でもねえ。」

かつ枝「もう やり残した事ねえって 言ってたもんな。」

長内「やめろって この眼鏡会計ネガティブばばあ!」

ユイ「だから 橋 幸夫に 会いに行ったのかな。」

長内「ユイちゃんまで…。 最後まで 希望を捨てるな! …最後まで?」

長内「いやいや 最後でねえど! 途中だ!」

春子「橋 幸夫って?」

ユイ「え?」

春子「何? 橋 幸夫って。」

ユイ「えっ? 春子さん 知らないの?」

春子「え?」

かつ枝「会ったんだと 東京で 橋 幸夫に。」

春子「知らないよ 何それ。 えっ 知ってた?」

大吉「ごめん 春ちゃんには 死んでも言うなって 口止めされてたもんで…。」

春子「何よ 何それ~。」

弥生「おらたちも よく覚えてねえんだけんども 夏ばっぱが 二十歳そこそこの頃 橋 幸夫が リサイタルで来たんだと。 そん時 夏ばっぱ 花束 渡したんだって。」

かつ枝「そんで ほれ 吉永小百合の代わりに 歌ったんだと。」

春子「え?」

美寿々「写真見てみるか? 勉さんが持ってたの。」

春子「え? え!? 何 何? 全然…。 嘘でしょ?」

大吉「んで ほれ 鈴鹿ひろ美さんが 間さ入ってよ アキちゃんと一緒に 会いに行ったんだと。」

春子「…。」

大吉「春ちゃん?」

春子「何? ごめん 聞いてなかった。 …っていうか かわいいね 夏さん。 ちょっと アキに似てる。」

かつ枝「え~ んだか?」

ユイ「フフッ そうかも。」

東京EDOシアター

荒巻「はい ありがとう。」

「ありがとうございました。」

荒巻「236番の方。」

アキ「236番 天野アキ。 東京都出身 18歳です。 えっと 高2の夏から 岩手県北三陸で 海女さんをやってました。 なので 素潜りには自信あります。 尊敬する人は おばあちゃんと 鈴鹿ひろ美さんです!『潮騒のメモリー』を見て 鈴鹿ひろ美さんに…!」

鈴鹿「ごめん! 時間ないから そこまで。」

アキ「ありがとうございました。」

荒巻「それじゃあ 次 セリフいってみようか。」

「はい。」

荒巻「229番の方から。」

「はい!『母ちゃん 親孝行できなくて ごめんなさい』。」

病院

春子「私… 何にも知らないよ 夏さんの事。 娘なのに 何も知らないわ。 笑っちゃうぐらい知らないわ。 18で 家出るまでの 夏さんの事しか知らないもんね。 いや それも怪しいな。 何が好きとか 何が嫌いとか 全然 知らないんだわ。 だって 橋 幸夫とデュエットとかさ 何これ。」

長内「しゃあねえべ 口数の少ねえ人だから。」

春子「違うね。 私が知ろうとしなかったんだね。 自分の事ばっかでさ 夏さんの事 口やかましい母親としてしか 見てなかったんだわ。 夏さんの母親じゃない部分 見ないで来ちゃったんだね。」

東京EDOシアター

小野寺『母ちゃん 親孝行できなくて ごめんなさい』。

真奈『母ちゃん 親孝行できなくて ごめんなさい』。

しおり『母ちゃん 親孝行できなくて ごめんなさい』。 ありがとうございました!」

荒巻「はい ありがとう。 次。」

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