<そして 別れの朝>
かつ枝「今日が最後だから。」
大吉「分かった。」
春子「わざわざ 集まってくれなくても よかったのに。」
かつ枝「何 どうせ 早く起きっから。」
春子「あれ お母さんは?」
美寿々「随分めえに 浜の方さ 降りて行ったべ。」
春子「そう。」
大吉「あ! ああ。 春ちゃん! おら…。」
春子「行くよ アキ! アキ!」
アキ「うん 今行く。」
春子「はい!」
大吉「これか? 荷物。」
春子「うん。」
大吉「さ!」
アキ「バイバイ! また来年来るからね。 バイバイ!」
弥生「泳ぎ 忘れんなよ!」
駅
(警笛)
回想
1984年(昭和59年)
春子「通してもらって いいですか? どいて下さい! どいて下さい! 通して下さい! すいません!」
大吉「春ちゃん!」
春子「もう! どいてよ!」
回想終了
大吉「あと 2~3分で出るから。」
春子「うん。」
大吉「出るというか 俺が出すんだけど。」
春子「いろいろありがとね。 大吉さん。」
大吉「いやいや。 え?」
春子「おかげで とってもいい 夏休みになったみたいで ね!」
アキ「お世話になりました。」
大吉「来年 また来いよ ぜってえだぞ!」
アキ「はい!」
大吉「じゃあ 行ぐが。」
(発射のベル)
大吉「荷物持ってぐから。」
春子「あ ありがとう。」