東京EDOシアター
奈落
荒巻「みんな 大丈夫!? ケガない!?」
一同「はい!」
安部「ここは みんな無事です。」
河島「震源地 宮城らしいぞ。」
安部「えっ? えっ?」
荒巻「小野寺 実家に電話しなさい。」
小野寺「はい…。」
<『じぇじぇ! 明日 お披露目ライブなのに』。 あの日 多くの人々が そうだったように アキも また 事態の深刻さを 理解していませんでした>
しおり「実家は?」
アキ「あ… うん。」
水口「ユイちゃんに電話してみたら?」
アキ「うん。」
東京EDOシアター前
「どれだけ待ってると 思ってるんだよ。」
「何時間待ちだよ これ。」
(騒ぐ声)
休憩所
電話『しばらく たってから おかけ直し下さい』。
アキ「しばらく たったから かけだのに…。」
畑野トンネル
無線・吉田『現在地… 教えて下さい』。
大吉「現在地 畑野トンネルです。」
無線・吉田『こちらから 指示を出します。 お待ち下さい…』。
大吉「吉田君?」
無線・吉田『お待ち下さい…』。
大吉「ちょっと もしもし! 運転指令!」
<余震は 絶え間なく続きました。『落ち着け 大吉。 こういう時は お客さんを 不安にさせでは駄目だ』。 大吉さんは 何度も そう自分に言い聞かせました>
大吉「え~ ただいま 大きな地震がありました。 あの~ ご心配ねぐ。 状況が分かり次第 あの 改めて…。」
無線・吉田『津波! 津波が来ます! 大津波警報発令! 避難します!』。
東京EDOシアター
(どよめき)
<『映画が何がみでえだな』。 とても現実に起こっている事とは 思えませんでした。 周りのみんなも『嘘~!』とか『何これ?』『何で?』とか とりあえず 声に出すものの 気持ちが追いついてなくて…>
荒巻「天野 お前の実家 海沿いだろ。」
安部「…漁協さ 電話してみっぺ。」
しおり「どうだった?」
小野寺「駄目… つながんねえ。」
喜屋武「メールも送れない?」
河島「混戦してるんだ 今。 後で かけなさい。」
しおり「平気 平気。 大丈夫だよ。」