連続テレビ小説「あまちゃん」144回「おら、やっぱりこの海が好きだ!」

水口「鈴鹿さんの現場について 約半年。 本当に いい経験させて頂いて フォローして頂いたり 疲れの取れる 入浴剤頂いたり ポン酢を頂いたり。」

春子「何なの その 奥歯に物が詰まったような 奥歯そのものがないような ハッキリ言いなさいよ!」

水口「仕事が面白くない。」

春子「ハッキリ言いなさいっつってんの。」

水口「仕事が面白くないんです。」

春子「駄目じゃん!」

水口「駄目ですよね。」

黒川「理由は? 自分で分かってるの?」

水口「太巻さんの会社の頃から ずっと 新人を発掘するセクションで 磨けば光る原石を 扱ってきました。 でも 初めから光ってる 女優さんに どう接したらいいか 分からないんです。」

回想

監督「よ~い!」

鈴鹿「あの~!」

監督「はい!」

鈴鹿「これ 節電のスポットなのに ちょっと 照明 たき過ぎじゃないかしら?」

回想終了

水口「だって 出来上がってますから 僕が何かしなくても 周りが 光を当ててくてれるんです。」

回想

監督「よ~い! アクション!」

鈴鹿『節電に ご協力を』。」

監督「カット!」

回想終了

水口「駄目だ 論点ずれてる。 いや ホント 鈴鹿さんは 悪くないんです。 ただ僕が 自分が思ってる以上に アイドル熱高めというか それ以外に興味ないっていうか。」

甲斐「分かるよ。 鈴鹿さんも 僕ら世代のアイドルだったけど 結婚しちゃったもんな!」

黒川「君が無類の アイドル好きっていうのは うすうす分かってたよ でもね 水口君 好きじゃない事や 向いてない事を 避けて生きていけるほど 今の世の中 甘くないと思うよ。」

水口「すいません。」

黒川「理想を掲げて それを実現できる 人間なんて 一握りだ。 それが できなくて みんな苦しんでる。 人生は長い。 道を迷ってもいい。 遠回りしてもいい。 混んでたら 脇道に入ればいい。 どこかで誰かを拾うかもしれない。 着いた場所が目的地だよ。」

春子「そうかな? ごめん。 私 この人の意見に大反対! 着いた場所が目的地? そんなの言い訳じゃん! 自己満足じゃん! 脇道! 遠回り? 誰か拾う?『電波少年』かよ!」

黒川「目的地は 見えてるの?」

水口「はい。 戻りたい場所はあります。」

春子「お座敷列車でしょ?」

黒川「『お座敷列車』?」

水口「はい。 やっぱり あれが僕の原点ていうか。」

回想

♬『来てよ その火を 飛び越えて 砂に書いた アイ ミス ユー』

(拍手と歓声)

回想終了

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