連続テレビ小説「あまちゃん」144回「おら、やっぱりこの海が好きだ!」

水口「拙いけど 一生懸命歌う2人 それを見守る 田舎の人たちの 屈託のない笑顔と拍手 声援と 窓の外の景色と。 全部が終わったあとの 虚無感と。 僕の中のアイドルって 結局これなんです。 この時の興奮を 追い求めてるんだなって。」

春子「興奮してるようには 見えなかったけど。」

黒川「顔に出さないからね…。 甲斐さん?」

甲斐「熱いよ 何だよ これ! ここに いたかったよ!」

黒川「甲斐さん 顔に出過ぎ。」

水口「この感じを どうにか 再現できないかって GMTで模索して なんとか アキちゃんを 歌手デビューさせるとこまで 行ったけど。 今 北鉄が 袖が浜で 止まってるって聞いて。 何か…。 何か もったいないなって。 復旧さえすれば 線路は 日本中につながってるんだから 北三陸に限らず 全国に 広めていけるんじゃないかって。」

アキ「御無沙汰しえます! 潮騒のメモリーズでおなじみ 海女のアキちゃんです! せっかく帰ってきたんですが 今年はウニがいないので 潜れません。 じぇじぇじぇ! でも 私たちは諦めません。 港に船が 戻ってくる日を信じて 復興のシンボル 海女のミサンガを 編んでいます。」

袖が浜漁協 仮事務所

かつ枝「ユイちゃん これ これ ゆるい ゆるい。 もっと引っ張んねば ほら!」

ユイ「いいの! 気持ちだから。」

安部「出来たよ! ユイちゃんは だんご2つね?」

美寿々「おらも 2つにしてけろ! お盆まで ダイエットすっからよ。」

アキ「これは津波で破損した 底引き網を 再利用して作りました。」

純喫茶・アイドル

春子「あんたもか? あんたも 北へ行くのね? 種市君がね 田舎に帰っちゃったのよ。」

水口「え? すし屋の。」

春子「そう。 そんなにいいか? 北三陸。 だって 何にもないじゃん! まめぶと ウニ丼と つりがね洞と あと何だ?」

水口「琥珀。」

春子「ていうか 私の地元だよ。 何で あんたの方が 好きになるのよ。」

水口「すいません。」

春子「分かったわよ! 行きなさいよ。」

黒川「え? いいの。」

春子「だって…。 心がここにない人 引き止めたて 無駄じゃん。 去る者は追わずよ。」

水口「あ 今の夏さんの…。」

春子「うるさい! 鈴鹿さんには 自分で言いなさいよ。 そこまで面倒見きれないからね! 行きますよ!」

黒川「え? ちょっと待ってよ!」

(ドアベル)

甲斐「あれ?」

水口「どうしました?」

甲斐「わ わ わ 忘れ物!」

水口「婚姻届…。」

甲斐「俺 頼まれてたんだよ。」

水口「あれ? これ片方しか 書いてませんけど。」

甲斐「わあ~! あ~! 何やってんだよ俺? 俺 配偶者じゃないよ!」

天野家

水口「…という訳で 恥ずかしながら 戻ってきちゃいました。」

夏「いや こっちは 來る者は 拒まずだから 構わねえが。」

アキ「生活どうすんだ? 仕事ねえど。」

水口「それは なんとか。 アキちゃんにも いい知らせ。」

アキ「何 何?」

夏「アキ おめえの 父ちゃんと母ちゃん より戻すみでえだ。」

アキ「な~んだ!」

水口「そこは『じぇじぇじぇ!』でしょう?」

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