連続テレビ小説「あまちゃん」33回「おらのじっちゃん、大暴れ」

大吉「遅かれ早かれ こういう事になるとは思ってた。 ここ最近の北鉄ブームの火付け役は 明らかに あの2人だ。 インターネットで終わる訳がない。」

大吉「いや 終わってもらっては困る。 そういう意味では ねらいどおりだべ。 いや 春ちゃんが こういう派手な事に 拒絶反応あるのは分かってる。 でも 今回だけは…。」

春子「スタイリストは つくの?」

大吉「え?」

春子「何? 自前?」

ヒロシ「あっ はい。 基本的には 海女さん姿と制服で。」

春子「メークは?」

ヒロシ「あっ はい。 あっ でも 事前にVTRのチェックは…。」

大吉「えっ? やってくれるのか?」

春子「聞いただけよ。 どの程度の番組なのかなと思って 確認。」

菅原「あ~ 岩手ローカルだけど 宣伝効果も絶大だ。」

吉田「まず 県内で評判になって 口コミで北三陸の名を全国区に…。」

菅原「B級グルメだの 日帰り温泉だの 紹介してもらって…。」

春子「本人は 何て言ってんの?」

ヒロシ「お母さんに聞いてみないとって。」

春子「アキじゃなくて ユイちゃん。」

ヒロシ「ああ… あいつは もともと 芸能界に憧れてますから。」

春子「そっか…。 やっぱ そうなんだ。」

ヒロシ「え?」

春子「そうじゃないかなと 思ってたのよね。 アキとは モチベーションが違う。」

吉田「…モチ?」

春子「あの子 見てると つらくなんのよ。 昔の自分 見てるみたいで。」

菅原「えっ? 昔の春子さん? いや 悪いけど 全然 違うよ。」

大吉「どう見たって これ 対極だべ。」

春子「あの子 田舎嫌いでしょ?」

ヒロシ「嫌いっていうか 見えてないんじゃないですか。 東京に対する憧れが強いから。」

春子「そこが アキとは 全然 違う。」

天野家

夏「ただいま! 遅くなって…。」

忠兵衛「お帰り。 腹減ったべ。」

夏「みんな いる~。」

かつ枝「お邪魔してます。」

忠兵衛「あら汁 どっさり作ったから 呼んだんだ。」

長内「手ぶらでねえど ほれ!」

夏「あらま ちょうど いがった ほれ! 刺身切るべ!」

かつ枝「待ってました~!」

春子『田舎大好きだからね アキは。 大好きな田舎の 大好きな人に 喜んでほしくって やってるだけだから。』

アキ「あら汁 うめえ~!」

(笑い声)

かつ枝「さすがだよ。」

スナック・梨明日

ヒロシ「確かに ユイは違いますね。 あいつは卒業したら 東京行くつもりだし…。」

菅原「えっ そうなの?」

ヒロシ「はい。」

春子「その辺のずれを 北鉄の駅長さんは どう考えてるんですか?」

大吉「どうって…。」

春子「あの2人を 町のP.R.に 利用するのは構わない。 でも まだ 2人とも子どもなんだからね。 これ以上 エスカレートしたら 取り返しのつかない事になんのよ。 ちゃんと責任取れんの!?」

吉田「(いびき)」

春子「寝てんの!?」

吉田「ごめんなさい。 途中から 脳に酸素が行かなくなって…。」

ヒロシ「僕が マネージャーになりますよ。」

春子「はあ?」

大吉「マネージャー?」

吉田「何 言ってんだ 足立!」

ヒロシ「僕が窓口になります。 僕が間に入って 2人の希望を聞きながら テレビ局の人が何か言ってきても 責任持って 対応します。 それでも駄目ですか?」

春子「駄目よ。 何よ マネージャーって。 芸能人じゃあるまいし。」

菅原「いや でも 窓口は必要だべ。 今 春ちゃんが言ったみたいに 2人は まだ子どもだすけなあ。」

春子「ちゃんと冷静に 判断できる人じゃないと駄目。」

ヒロシ「できます!」

春子「無理よ! あんた ユイちゃんの兄だし アキの事 好きじゃん!」

ヒロシ「それは… その気持ちは 一旦 寝かせます。」

吉田「寝かせるって事は いつかは起こすって事だよね。」

ヒロシ「ええ まあ…。」

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