連続テレビ小説「あまちゃん」60回「おら、スカウトされる!?」

ユイ「だから 表向きは 恋愛しちゃいけないの。」

アキ「へえ~ 何か大変だな。」

ユイ「でも 子どもの頃からの 夢だったからね。」

アキ「アイドルになるのが?」

ユイ「幼稚園の頃とかさ 大きくなったら 何になりたいって聞かれて 保母さんとっか お花屋さんとかって 答える子がいたじゃない? 嘘つけって 思ってた。」

ユイ「そう答えれば みんな 親が安心して ニッコリ笑うの 本能的に知ってんだよ。 だから 私は 絶対違う事 言ってやろうと思って。」

アキ「何になりたかったの?」

ユイ「キャメロン・ディアス。 …ていうか チャーリズ・エンジェル? ああいう 目まぐるしい女に 憧れてた。 あと『バイオハザード』とか『トゥームレイダー』とか『キャットウーマン』とかを経て 中2の頃『アイドルになりたい』って 言ったら やっとお母さん ニッコリ笑ったの。」

アキ「そりゃそうだ。」

ユイ「両親は 基本的には 応援してくれたけど でも 潮時かなって。 ネットアイドルとか お座敷列車とか 地方局のリポーターとか こっちで できる事は 一とおりやったし。」

アキ「うん。」

ユイ「わざわざ 会いに来てくれる人が いるって事は ちょっとは 自信持って いいんじゃないかなって思うの。」

アキ「うん。」

ユイ「そういう期待に 応えたいって思うの。 間違ってる?」

アキ「ううん。 ユイちゃんは そうするべきだよ。 表部隊に立つ人だ。 初めて会った時も 去年の夏祭りの時も そう思った。」

ユイ「ああ… あれはあれで 複雑だったけど。」

アキ「いや あれがユイちゃんだべ! あの でっけえ山車の てっぺんに乗っても動じない。 堂々としてる。 あれこそが ユイちゃんの本来の姿だ。」

ユイ「アキちゃんは?」

アキ「え?」

ユイ「アキちゃんの 本来の姿は?」

アキ「お… おらは…。」

(携帯の着信)

アキ「出なくていいの?」

ユイ「うん 水口さんじゃないから。」

アキ「誰?」

ユイ「お兄ちゃん。」

アキ「出ないの?」

ユイ「…。」

アキ「もしかして 黙って出てきたのか?」

(携帯の着信)

アキ「ストーブさんから。」

ユイ「出ないで。」

アキ「2人とも出ないと 怪しくない? もしもし はい 今? 家ですけど。 ユイちゃん? 一緒じゃないですよ。 え? じぇじぇ! 家出?」

スナック・梨明日

ヒロシ「そうなんだ。 連絡つかないんだ。 明日 東京で オーディションが あるっていう話は 聞いてない? あ そう。」

春子「ちょっと 代わって。 もしもし アキ? あんたさ 水口って男に 何かされた?」

海女カフェ

アキ「何か?」

スナック・梨明日

春子「正直に答えて。 怒んないから。 うん 言いなさいよ。 何されたの こら!」

大吉「『こら』って?」

ヒロシ「落ち着いて 春子さん!」

春子「いい? 芸能界とか アイドルとっか チャラチャラしたの ママ 絶対許さないからね。 返事は! 聞こえない!」

海女カフェ

アキ「あ あ~! あい。」

スナック・梨明日

春子「あと ユイちゃんから 連絡あったら ヒロシ君かママに すぐに電話して! 分かってんの? 返事は!」

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