連続テレビ小説「あまちゃん」66回「おら、アイドルになりてぇ!」

海女カフェ

ユイ「駄目駄目 北鉄なんて 最終が7時半だよ。」

アキ「始発は?」

ユイ「終電から始発まで どうやって 時間潰すの? 駅には 駅長か副駅長がいるし リアスには アキちゃんのママもいる。 常連客は 知り合いばっかり。」

アキ「駄目だな。」

ユイ「駄目だね。 ていうか あの人たち ず~っと 駅か車両にいるんだね。 駄目 北鉄使えない。」

アキ「…。」

ユイ「どうしたの?」

アキ「いや 何でもねえ。

北三陸駅

ヒロシ「そっか 何か ごめんね。 妹のわがままに つきあわせちゃって。」

アキ「おらも ちょっと 親子関係 煮詰まってっから。」

ヒロシ「その 太巻って人は 何なの?」

アキ「プロデューサーだって言ってた。」

ヒロシ「プロデューサーっていうのは 何をするの?」

アキ「ユイちゃんが言うには 秋元なにがしどか つん…。」

ヒロシ「つん?」

アキ「つん…。」

ヒロシ「つん?」

アキ「つん…。」

ヒロシ「つんく♂?」

アキ「つんくなにがしみでえな 偉(えれ)え人らしい。」

ヒロシ「俺の方が ちょっと詳しいかも。 ハハハ!」

アキ「だって プロデューサーなんか いなくても 北鉄と観光協で やってきたべ!」

ヒロシ「まあ こっちで活動するなら そうね。 でも 東京でやるなら。」

アキ「うう!」

ヒロシ「そんな露骨に… 行きたくないの?」

アキ「でも ユイちゃんは 行がしてやりてえ。 そのためには おらが折れねえと。 ユイちゃんと2人なら なんとか やっていける気もする。 おらも いつまでも 逃げ回ってらんねえ。 いつかは ママみでえに 向き合わねえと。 地元で ダサかった頃の自分と。」

ヒロシ「地元?」

アキ「おらにとっては 東京が地元だからよ。 みんなにチヤホヤされて ちょっと 調子に乗った時に『地元じゃ 駄目だったくせに』って声が聞こえるんだ。 うるせえ! おら田舎さ 逃げてきたわけじゃねえぞ。 地元でだって やれるんだって… うん 克服しねえと。」

ヒロシ「アキちゃん。」

アキ「あれ? やばい やばい いつの間にか 東京さ 行く方向で 話が進んでるな。」

ヒロシ「アキちゃんは 恰好いいな。」

アキ「おらが?」

ヒロシ「俺なんか 耳が痛いよ 今の話。」

アキ「ストーブさんも 東京で負けて帰ってきた オスの負け犬だもんな。」

ヒロシ「オスの? うん。 2か月で 戻ってきた。 負け犬が 心の傷 克服するために 頑張ってるようなもんで。 で いつ家出すんの?」

アキ「うっかり 言わねえべ。」

ヒロシ「ごめん。」

観光協会

大吉「まだ決まってない?」

ヒロシ「はい。 でも やっぱり 家出の話は 持ち上がってるみたいで。」

大吉「アキちゃんは?」

ヒロシ「それが…。 まだ 迷ってるみたいで。」

菅原「じゃ 今夜って事はねえか。」

大吉「ああ。」

(警笛)

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