連続テレビ小説「あまちゃん」95回「おらのママに歴史あり 2」

司会 男「それでは 映画の名場面と共に お楽しみ下さい。『潮騒のメモリー』鈴鹿ひろ美さんです。」

司会 女「どうぞ!」

♬~(『潮騒のメモリー』)

春子♬『(テレビ)来てよ その火を 飛び越えて 砂に書いた アイ ミス ユー』

甲斐「いい。 いいな。 何かね 健気(けなげ)。 もう最高。 芝居も歌も うまくてさ こんなに かわいいんだもんな。 頑張んないとね 春ちゃんも。」

春子「は~い。」

手紙・春子『うれしかった。 鈴鹿ひろ美が 褒められているのに 自分が褒められているような…。 恥ずかしくて ちょっと誇らしくて』。

甲斐「そのうち 誰かのお嫁さんに なっちゃうんだろうな。」

手紙・春子『あのころ 町じゅう どこへ行っても ママの歌声が聞こえてきました。 鈴鹿ひろ美の【潮騒のメモリー】。 でも 本当は 自分が歌っている。 それを知っているのは 太巻さんと数人のスタッフ それと あの運転手だけ…』。

回想終了

無頼鮨

アキ「はい チーズ!」

(シャッター音)

鈴鹿「本当にいいの? 私についてても 女優にはなれないわよ。」

アキ「いい。」

鈴鹿「面倒くさいでしょ? 私。 しかも この先 どんどん 面倒くさくなるわよ。 いいの? それでも。」

アキ「いい。 おら 鈴鹿さんさ 一生ついていぐ。」

<おら また 鈴鹿ひろ美の付き人に 復帰しました>

アキ「一生は嘘(うそ)だ。 当分は ついていぐ。 これ お土産!」

鈴鹿「嫌! びっ… 毛虫?」

アキ「海女のミサンガ おそろいだ。」

鈴鹿「ああ 切れると 夢がかなうってやつ?」

<もちろん 鈴鹿さんを尊敬してるが 理由は それだけじゃね。 鈴鹿さんと ママと 太巻さんの過去を もっと深く知りでえ。 知る必要があると思ったからです>

アキ「鈴鹿さんの夢って何?」

鈴鹿「う~ん…。 世界征服と結婚。」

<鈴鹿さんは知ってんだべか? 自分に影武者がいた事を>

回想

(ドアベル)

甲斐「いらっしゃいませ。 あっ…。 無視か…。」

春子「どうかしました?」

荒巻「鈴鹿ひろ美が『テレビで歌いたい』って言いだした。」

春子「え?」

荒巻「しかも 生意気にも 口パクは嫌だって。 参った。 どうしよう…。」

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