破局
愛「えっ どういうこと?」
恭介「だから 別れて下さい。」
愛「な… 何で?」
恭介「言ったと思うけど 俺 海外赴任になるんで。 だから その節目っていうか。」
愛「うん…。 うん? えっ ちょっ… えっ? 全然 意味分かんないんだけど。」
恭介「本当に分かんないの?」
愛「うん。」
愛「えっ? これが何…?」
恭介「『何?』じゃないよ。 おかしいだろ これ! なあ。 これもさ。 俺 こういうの やんないから 知らなかったんだけど 友達に言われて 見て すっげえ びっくりして。」
恭介「「正直 キモいっていうか 痛いっていうか。 俺お前の『いいね』の道具じゃないから。」
愛「ちょっ… ちょっと ちょっと待って! 恭介 ちょっと待って! ごめん! ごめん ごめん! そんな やだって思わなかったから」
愛「ごめん もう2度としないから! ねっ ごめん。 本当 ごめん! ねっ ねっ。」
恭介「それだけじゃなくてさ 俺 愛のこと 奥さんだって 人ひ紹介したくないんだよ。」
愛「え?」
恭介「海外赴任組の奥さんって 頭いい人 多いんだよ。 語学出来たり日本文化 詳しかったり そういうコミュニティーなわけ。」
恭介「そういうのがないんだったら せめて 性格いいとか 人づきあい うまいとか コミュ力は高いとか…。」
愛「私! 私 コミュ力ある方だと思うよ。」
「何 何 何?」
「けんか?」
「やばいって かわいそう…。」
愛「そんなことないでしょ!」
恭介「現に俺 言われたんだから 同僚に。 こんな痛いのと つきあってんのかって。」
「こんなとこで… 恥ずかしい。」
恭介「みっともないんだよ。」
「彼氏 行っちゃったよ。」
愛「あんただって… あんただって メインストリームじゃ…。 (コケる)」
スマホを落としたことに気付かず その場を後にする愛
カラオケ
愛「♬『甘い匂い』」
会計
「2160円です。」
愛「はい。」
スマホがないことに気付く愛
「あの大丈夫ですか?」
愛「ああ はい 大丈夫です。 あれ? ない。 ちょっ…。」
「お財布 それじゃないんですか?」
愛「あっ いや 財布じゃなくて…。 ちょっと…。 すいません ちょっと 電話 貸してもらってもいいですか?」
「電話?」
愛「はい。」
愛「あっ… ああ もしもし…。」
小豆沢「はい。」
愛「あっ すいません それ 私の携帯だと思うんですけど。」
小豆沢「あ~ 拾ったんですけど まだ警察 届けられてなくて。」
愛「あの~ すいません 私 じゃあ 取りに行くので どこに行ったらいいですか?」
小豆沢「ベースメントってライブハウスまで 取りに来てもらっても いいですか?」
愛「えっと… お名前をお聞きしてもいいですか?」
小豆沢「俺 小豆沢っていいます。」
愛「分かりました。 じゃあ 取りに行きます。」