ドアが開く
ハナ「あっ あっ あ… 今日… 今日は ありがとうございます。 あ… ありがとうございます。 ありがとうございます。」
ステージ上で着替えるハナ
紀子「そこで着替えるんだ?」
「(笑い声)」
ハナ「お… お待たせしました。 遅れて申し訳…。」
紀子「前髪切った!」
凛怜「え? 自分で切った?」
ハナ「美容師さん 予約できなくて 前髪くらいって思ったんだけど そろわないなって 切ってたら…。」
詩織「もう 言ってくれたら 切ってあげたのに。 そんなんなっちゃって。」
ハナ「ご… ごめんなさい。」
凛怜「そこ 謝るとこじゃないよ。」
花梨「でもさ 何で急に切ろうと思ったの?」
ハナ「前髪あると 私 逃げちゃうから。 困ると こうやる癖あって。」
ハナ「泣かせちゃったって 思わせてしまうこともあって。 歌とかダンスとか すぐに うまくなるのは無理だけど ここは今すぐ直せるかと。」
凛怜「あのさ おでこ 上げちゃえば よかったんじゃないの? 前髪 切るんじゃなくて。」
「(笑い声)」
凛怜「ねえ?」
詩織「確かに。」
小豆沢「でも ハナ! 偉い!」
柿崎「いいですよ! ハナちゃん!」
米原「前向き 大事!」
「(笑い声)」
花梨「じゃあ 1曲目 ハナに言ってもらおうかな。 ねっ。」
花梨「じゃあ ハナ 1曲目は?」
ハナ「『おちゃのこサニサイ』。」
♬「Love me Love me 始めよう hug me hug me 恋しよう 胸をじりじりと焦がすような クッキングタイムさ」
ハナのダンスも歌も 相変わらずひどくて みっともないものだったんですけど でも 逃げないで 前に進もうっていう気持ちは
まっすぐで キラキラしてて。 私も 前に進まなきゃって。
ライブ後
椎葉「これ 使います? ハナちゃんのチェキ券。」
愛「あ…。」
椎葉「これでお話しして チェキ 撮れますよ。」
愛「あの じゃあ…。(財布を出そうとする)」
椎葉「いいです いいです。 私は箱推しなんで ファンが増えてくれれば それで。」
椎葉「ハナちゃん。 この人 分かる?」
ハナ「あっ あっ… あの これは当てつけとかじゃなくて…。」
愛「すごい かっこよかったです。 あなたは私なんだっていうか。 あの… これから そういう気持ちで 応援させてもらいたいと思ってます。」
ハナ「えっ あっ… えっ えっ… それは… あ… ま… 毎度ありがとうございます!」
愛「ま… まい…。」
ハナ「こ… 今後とも 何とぞ ご… ごひいきのほど…。」
愛「あ… 全力で ごひいきします。 あの…。」
愛「あの…。 こちらこそご指導のほど…。 あ…フフッ。」
愛「あの握手から 私とハナの二人三脚の日々が 始まったんです。」
聖護院「それは 瓜田さんを突き落とすまでの日々 ということですか?」
愛「はい。」
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