公演終了
公演終了後、裕一は倶楽部を辞めると伝え、みんなに謝りました。
その後は淡々と学校生活を送り
茂兵衛おじさんからの銀行の融資で喜多一は急場を凌ぎ
ただ時は過ぎていきました
そして旅立ちの日の前日
浩二「兄ちゃん、いい?」
裕一「ん?どうした?」
浩二「明日見送れねーからさ、お別れ言いにきた」
裕一「珍しく感傷的だな?」
浩二「だって兄弟の別れだろ?」
裕一「以外、もっと淡泊な奴かと思ってた」
浩二「俺、逆に兄ちゃんのこと、もっと感傷的な人間だと思ってたけどね」
浩二「蓄音機、どうする?持ってく?」
裕一「あれ、お前貰ったもんだろ」
浩二「そうだけど俺、音楽聞く気がねーし実質兄ちゃんのもんだったし持ってけよ」
裕一「いいって」
浩二「ごめん」
裕一「な?家族と店、頼むぞ」
浩二「うん。兄ちゃん、ありがとう」
そしてお別れの日
裕一「汽車で1時間だよ。みんな並んで大げさ」
まさ「荷物、銀行に送っといたから」
裕一「ありがとう、おじさんと一緒に住むのは息詰まっから、銀行に住み込みでよかった」
裕一「父さん、俺もう大丈夫だから、気にしないで」
三郎「申し訳ねえ、辛いことあったらいつでも帰ってこいよ」
三郎「ありがとう。皆さんもお世話になりました。行ってきます」
下宿先に到着して母の手紙を見る裕一
まさ「見ると辛いだろうけれど、辛いとき支えてくれるのは、音楽だと思ふから。母より」
そこに職場の人達が入ってくる
落合「初めまして、支店長の落合です」
鈴木「行員歴15年の鈴木です」
松坂「2年目の松崎です」
菊池「事務の菊池昌子です」
一同「よろしくー」
そこで働く人達は皆、底抜けに明るかったのです