音楽学校
教師「それでは 時間となりましたので これより 『椿姫』ヴィオレッタ役の1次審査…。」
音「遅くなって申し訳ありません。」
教師「古山音さんですか?」
音「はい。」
教師「残念ですが 定刻に遅れたので 受験資格は失効となります。」
音「あの…。」
教師「審査が始まりますので ご退室願います。」
千鶴子「教官 私の時計は8時59分を指しておりますが。」
教官「えっ?」
久志「僕の時計もです。 先生 あの時計は 少々せっかちのようですね。」
教師「そ… そんなはずは…。」
久志「さあ どうぞ。」
選考会
教師「では次 18番 古山 音さん。」
音「はい。」
結果発表
教師「1次審査の合格者は こちらの10名です。」
教師「 2次審査の詳細は追って連絡します。」
音「あった…。」
久志「音さん。 よかったね。 おめでとう。」
音「ありがとうございます。」
久志「裕一も きっと喜ぶよ。」
音「はい…。」
久志「どうしたの?」
久志「そうか…あいつも 袋小路に迷い込んでるんだな。」
音「小山田先生に会ったら ますます重圧を感じてしまったみたいで。」
久志「なるほどね…。」
音「早く世間に認めてもらいたいって 焦ってるんです。 なんとかしてあげたいけど どうしたらいいのか…。 ごめんなさい。 もう行かんと。」
久志「分かった。 僕に任せて。」
それから数日後…。
行進する学生たちが古山家へ
音「何? 何なの? えっ? えっ? あっ… あっ…。」
田中「古山裕一先生は おりんしゃあとでしょうか?」
裕一「はい? 何でしょう?」
田中「失礼します!」
音「えっ? あっ あっ… ちょっと…。 待って 待って… 待って 待って! ちょちょう… 止まって! 止まって! あっ! 痛っ…。」
玄関の框でコケる音さんw
音「止まって 止まって~!」
裕一「はい…。 うん? な… 何? 何? えっ? えっ… 何? 何? 何?」
裕一「えっ? 何 何 何? 何…? おお… うん? うん? うん?」
田中「私は 早稲田大学 応援部 5代目団長 田中 隆ち言います!」
裕一「へっ?」