コロンブスレコード
廿日市「だからさ~ もう 俺を巻き込まないでくれよ。」
裕一「僕が ディレクターやるって 言ってたじゃないですか。」
廿日市「状況が状況だからさ…。」
音「そりゃあ 悩みますよね。 環先生のレコードを出せば 小山田先生に けんかを売ることになりますし」
音「それで もし当たらなかったら 廿日市さんも クビになっちゃうかもしれませんし。」
裕一「音。」
音「でも もし 当たったら…。」
廿日市「そりゃ まあ… でかいわな。」
裕一「うん。」
環「ええ そのとおりです。」
廿日市「え~! 何? 本物!?」
環「上の機嫌をとって 今いる場所を守るか 勝負に挑んで 大きな利益を得るか。 どちらになさいますか?」
廿日市「お前らに関わったら 面倒ばっかりだよ…。」
双浦 環が歌謡曲を歌う。 発売前から大きな話題となりました。
録音室
廿日市「あ~ 気持ち悪い…。 頼むよ~ 売れてくれよ~。 よしいこうか。」
小田「はい。」
環「♬『夢もぬれましょ 潮風夜風 船頭可愛いや エー 船頭可愛いや 波まくら』」
廿日市の決断は…。
当たりました! 双浦 環版の『船頭可愛いや』は 発売されるや 大ヒット。
相乗効果で 藤丸版も売れ行きを伸ばし 裕一のメロディーが 街じゅうに流れるようになったのです。
そして…。
裕一「あ~ すごいね!」
音「今日ね 環先生にお褒められたの。」
裕一「ほう!」
音「声が伸びるようになってきたって。」
裕一「地道な特訓の成果だね。」
音「絶対 いい舞台にする。」
裕一「楽しみだな~ 音のヴィオレッタ!」
恵「最近 何だか 調子悪そうだけど…。」
音「何か ムカムカするんですよね。」
恵「月のものは?」
音「あれ?」
恵「もしかして 音さん… 赤ちゃんできたんじゃない?」
音「えっ?」