文藝ノ友新人賞受賞式
梅「もうやめて。 いつまで撮っとるの。」
五郎「梅さんの晴れ姿を余すことなく撮れと 先生の指示ですから 僕は帰れません。」
この日は 梅の新人賞受賞式でした。
「社主が参りましたので こちらへどうぞ。」
梅「はい。」
「文藝ノ友新人賞 関内 梅様 そうぞ 中央へ。」
梅「はい。」
「おめでとう。 2作目も楽しみにしていますよ!」
梅「ありがとうございます!」
「では 関内様より 受賞のお言葉を。」
梅「作家になる事を夢みて 女学生の頃から ずっと この賞に応募し続けてきました。 お選び下さり 本当にありがとうございます!」
五郎「すごいな~。 すごいな。」
授賞式終了後
梅「このまま そこで執筆しようかと。」
「そうですか ハハハ…。」
「これはこれは 幸先生!」
文子「関内さん この度は受賞 まことにおめでとうございます。」
梅「あっ… ありがとうございます。 あの… 私のこと 覚えてますか? 小学生の頃 一緒に本を読んだ…。 少し前に手紙もくれましたよね?」
文子「ええ! 覚えてるわ。 私は いいとは思わない。 この場所を譲るつもりないから。」
梅「結ちゃん?」
文子「その名前は捨てたの。 2度と呼ばないで。」
「あの すいません… お話し中 申し訳ないんですが 今度 うちの雑誌で お二人の対談を組みたいのですが。」
文子「喜んで。 あなたも いいわよね?」
梅「はい。」
「ああ…。」
「お写真 よろしいですか?」
文子「もちろんよ。 ほら。」
「こちらに。」
梅「いや あの… ごめんなさい 私 目立つのが あまり好きじゃないので」
「関内さん 写真を嫌がっては困ります。 あなたは 容姿がいいことも 売りの1つなんですから。 ハハハハ… さあさあ 撮って撮って。」
「では 撮りますね。」
「もう1枚 お願いします。」
「文子さんも 最近 落ち目だから。」
「今回の新人 かわいいもんな~。」
「潰しのかかるぞ あの人。」
「く~っ 女の嫉妬は怖え~。」
梅「失礼します。」
コケる梅
五郎「梅さん!」
文子「フフフフ…。」
文子「フフフフ…。」
五郎「笑うな!」
五郎「大丈夫ですか?」
梅「ほっといて。」
裕一の仕事場
五郎は いつにも増して 作曲が進まないようです。
裕一「五郎君 これ もう1回 読み直したら?」
五郎「ありがとうございます。」
裕一「うん! 頑張って。」
五郎「はい。」
裕一「あの… ち… 力抜いて。」
五郎「はい。」
裕一「正座もやめよう。」
五郎「あっ…。」
裕一「ねっ? 体をやわらかくして…。」
五郎「はい。」
久志とデート中の梅
梅「うわ~ きれい! でも…。」
久志「受賞のお祝いだから。」
「お待たせいたしました。 オムライスでございます。」
一方 梅は 久志とデートをしていました。