仕切り直して
音「はい。」
♬「あした浜辺を」
(笑い声)
音「大丈夫 大丈夫。 もう1回やろう。 ねっ?」
シズ子「音先生 さようなら。」
音「さようなら。 気を付けてね。」
子どもたち「さようなら~。」
「難しかったね。」
「ね~。」
音「弘哉君 また来週ね。」
弘哉「さようなら。」
帰宅途中の弘哉
佐智子「弘哉君。 弘哉君 来週も来るよね?」
弘哉「こんなとこ 本当は来たくなかったんだ。 でも 母ちゃんが行ってみろって しつこく言うから。」
佐智子「そのうち 楽しくなるかもよ。」
弘哉「もういいよ。 笑われるだけだし。」
佐智子「そんなこと言わないで また一緒にやろう? ねっ? 行こっ。」
裕一「あれ? 鍵かかってる…。」
佐智子「こんにちは。」
裕一「あっ こんにちは。」
古山家
音「弘哉君のお母さんからも 歌が苦手なことは聞いていたんだけど…。」
裕一「まあ ほら初日だしさ 気長にやろう?」
音「その前に やめちゃうかも。」
裕一「いや 彼はね… やめないと思う。」
音「どうして?」
裕一「うん? どうしてかな。 華は? 一緒にやったの? 今日。」
華「私はいいの。」
音「何度も誘ったんだけどね。」
裕一「華 どうしてやらないの?」
無視しておもちゃを物色する華ちゃんw
華「これにしよ。」
裕一「(小声)ねえ… 音楽 興味ないのかな?」
音「まあ そのうち やりたくなる時が来るかもしれないし。」
裕一「そうだね。 あ… ありがとう。」
音の音楽教室
♬「風の音よ 雲のさまよ よする波も かいの色も」
シズ子「弘哉君 いいかげんにしてよ。 きれいな歌が台なし!」
澄子「本当よ!」
シズ子「こんなんじゃ歌ってても楽しくない。」
音「シズ子ちゃん…。」
佐智子「でも シズ子ちゃんだって 少し音程 外れてたよ。」
シズ子「はあ? 私も音痴だって言うの?」
音「2人とも けんかしないの。 ねっ?」
弘哉「もういいよ。」
音「えっ?」
弘哉「僕 もうやめます!」
音「あっ 弘哉君!」
玄関
裕一「弘哉君 ちょっといい?」