裕一の仕事場
(ノックとドアの開閉音)
五郎「失礼します」
裕一「あっ… ありがとう。」
五郎「遅くまで大変ですね。」
裕一「うん。」
五郎「懐かしいな…。」
裕一「うん?」
五郎「作曲の道は諦めましたけど 今でも音楽は よく聴くんです。」
裕一「フフッ。」
五郎「先生のレコードも全部買ってます。」
裕一「うれしいな~ ありがとう。」
五郎「今は 戦意高揚の曲しか 作らせてもらえないんですかね?」
裕一「うん?」
五郎「書きたいものが書けなくなるって 大変ですよね。」
裕一「まあ… でも 僕はね 求められるものには 全力で応えたいなって思ってる。 まあ… 仕事が頂けることは 本当にね ありがたいことだからさ。」
庭
音「ほっ ほっ ほっ…。」
梅「おはよう。」
音「おはよう!」
梅「何しとるの?」
音「うん? お芋作ってるの。 梅も やりんよ。」
梅「やだよ~。」
音「体 動かすと気持ちいいよ!」
五郎「おはようございます。」
音「おはよう! よく寝られた?」
五郎「はい。 ぐっすり。 あっ 僕 手伝います。」
音「あっ 本当に? じゃあ そこにあるから。」
五郎「はい! よし…。」
音「どれ…。」
五郎「よいしょ。」
音「おお… 頼もしい! 五郎君 農業にも向いてそうだね。」
五郎「ありがとうございます。」
梅「やめてよ うちの大事な跡取りなんだから。」
裕一「おはよう。」
音「おはよう。」
裕一「ああ… みんな 早いね。」
梅「よし! 五郎さん 私も手伝う。 んっ。」
音「えっ? さっき やらんって。」
裕一「ハハハハ…。」
梅「1 2?」
五郎「そうそうそう…。」
梅「1 2!」