連続テレビ小説「ゲゲゲの女房」第110話「鬼太郎ブームがはじまった」

水木家

台所

いずみ「雑誌の編集部って 面白いね。 ビルは 大きくて立派だけど 中は 散らかっとって タバコ臭いし 汗臭いし。」

布美枝「もっと パリっとしとると 思っとったけど 出版社は どこも変わらんのだね?」

いずみ「うん。 手伝いに来ないかって 誘われちゃった。」

布美枝「え?」

いずみ「からかわれただけよ。 けど あげなとこで働いたら 楽しいかもしれんね。」

布美枝「うん。 あのね いずみ。」

いずみ「ん?」

布美枝「今日 お父さんから 電話があったんだけど。」

いずみ「『しっかりやれ』って お説教でしょう? お父さんの言う事は いつも同じだけん。」

布美枝「今日は そげじゃなくて…。」

いずみ「あ! 郁子さんに会ったよ。」

布美枝「え? どこで?」

いずみ「雄玄社 編集部の前で バッタリ!」

布美枝「郁子さんが なして 雄玄社に?」

いずみ「内職。 アルバイトで 雑誌の記事を 書いておられるんだって。」

布美枝「アルバイト?」

回想

郁子「取材記者のデータを 記事に まとめる仕事。 私が書いているのは あれよ。」

いずみ「『ヤングウーマン』 ?! 私も よう読んでます!」

郁子「そう?」

いずみ「お料理の記事 役に立ちますよね。 ほんとは 芸能界のゴシップが面白くて 読んどるんですけど。」

郁子「みんな そうよ。」

(2人の笑い声)

いずみ「けど 『ゼタ』は どうされたんですか?」

郁子「うん。 こっちは アルバイト。 週に3日ぐらい 『ゼタ』の仕事の後に やってるの。」

いずみ「仕事を2つも…。 大変ですね。」

郁子「いずみさん お仕事は?」

いずみ「田舎では 産休補助の教員を してましたけど 郁子さんみたいな仕事 恰好ええですね。

郁子「楽じゃないのよ。 これから徹夜で 原稿 書くんだから。」

小林「よう 加納君!」

郁子「あっ!」

小林「今週号の記事 評判いいよ!」

郁子「ありがとうございます! 次号の『女の履歴書』なんですが…。」

回想終了

いずみ「郁子さんは さっそうととって ほんとに すてきだわ。」

布美枝「その事 深沢さん ご存じなんだろうか…。」

いずみ「憧れるな… ああいう人。」

布美枝「あのね いずみ。」

いずみ「ん?」

布美枝「お父さんからの電話の事だけど 落ち着いたら そろそろ 戻ってきなさいって言っとったの。」

いずみ「何 言っとるのよ。 まだ 私が おらんと無理だわ。 喜子は 1歳にもならんし。 藍子だって 目が離せんし。 幼稚園の送り迎えも 私が やっとるのよ?」

布美枝「いつも すまんね。」

いずみ「茂兄さんの仕事だって 忙しくなる一方で とてもじゃないけど 姉ちゃん1人 置いて帰れんわ。」

布美枝「けど… もともと1年の約束で 来てもらっとるんだけん。 いつまでも あんたを当てにして 頼っとる訳には いけんって 思っとったのよ。」

いずみ「お父さんだって 姉ちゃんが まだ 大変だって事が分かれば 私の お手伝い期間 きっと 延長してくれるよ。」

布美枝「あんたに… 見合いの話が来とるのよ。」

いずみ「え?」

布美枝「ええ お話しだって 言っとったよ。」

いずみ「見合いの話…。」

布美枝「相手の人 立派な所に お勤めで 親御さんも しっかりしてて お金の苦労せんですむけん あんたには ちょうど ええんじゃないかって お父さんが。」

いずみ「それ… 姉ちゃんから 断ってごしなさい。」

布美枝「え…?」

いずみ「大所帯の買い物 どげするの? 藍子 連れて 喜子 抱いて 姉ちゃん1人で 遠くまで行ける?」

布美枝「頑張って 急いで 免許取るけん。」

いずみ「私 これでも 結構 役に立っとるつもりで いたんだけどな。」

布美枝「お陰で 助かっとるよ。 けど あんただって これからの事 いろいろ考えんといけんのだし。」

いずみ「私… 見合いはせんけん! もう少し こっちにおる!」

布美枝「もしかして… 誰か 好きな人でもおるの? 北村さんか 菅井さん?」

いずみ「おかしな事 言わんでよ。」

布美枝「ほんなら 他に誰か?」

いずみ「誰もおらんよ! 仕事 探そうかな。」

布美枝「え?」

いずみ「姉ちゃんが もう 家の手伝いは いらん 言うなら…。 そうだ! 豊川さんに頼んでみよう!」

布美枝「本気で言ってるの? 仕事って あんた そげん 簡単にはいかんよ。」

いずみ「郁子さんは さっそうと1人で 働いとるじゃない!」

布美枝「あの人は 特別に優秀なんだけん!」

いずみ「郁子さんだけじゃないよ! 女の人だって 今は フミ姉ちゃんみたいに 旦那様 当てにして 生きとる人 ばっかりじゃないけんね! あ…。」

藍子「けんかしちゃ ダメだよ~。」

布美枝「あ… うん。 けんかなんかしとらんよ。」

いずみ「私 もう少し こっちにおるけん。」

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