連続テレビ小説「ゲゲゲの女房」第110話「鬼太郎ブームがはじまった」

仕事部屋

倉田「ほんまに 頼んで ええんですか?」

いずみ「ええ 私 一度 出版社を のぞいてみたかったです。 皆さんは お仕事 続けて下さい。」

倉田「すんません お願いします。」

いずみ「また一つ 貸しが できましたね。 ほんなら 行ってきます!」

菅井「いい人だなあ いずみさんは。」

倉田「うん。」

小峰「しかし クラさんにしては 珍しいな。」

菅井「僕がやったと思ったでしょう。 よくないなあ そういう先入観は。」

小峰「悪い。」

倉田「すんません ボケっとして。」

小峰「ちょっと 頑張りすぎなんじゃないのか?」

倉田「え?」

小峰「片っ端から 新人賞に応募するのはいいけど 幾ら若くても 徹夜ばかりじゃ 体がもたないぞ。」

倉田「俺は 丈夫なんが取り柄やから。」

茂「あれ 何かあったのか?」

倉田「すんません。 自分が ヘマやりました。」

雄玄社

少年ランド編集部

豊川「わざわざ届けてもらって すいませんね。」

いずみ「とんでもな。 うちの者が 間違って お渡ししたので。」

北村「いえいえ ありがとうございました。」

豊川「おい 北村 修正個所 分かったのか?」

北村「はい!」

豊川「全く!」

いずみ「フフフ!」

福田「違うでしょう! 指定したとおり やって下さいよ! 困りますよ こういうの!」

(編集部のざわめき)

編集部員達「すげえな! やっぱ 橋本先生は 天才だよな!」

いずみ「漫画って こういうとこで 作ってるんですね!」

豊川「がっかりしたでしょう。 おっさんばっかりの 汚いとこで。」

いずみ「いいえ 活気があって 楽しそうです。」

梶谷「しかし 驚いたね。 水木先生に こんなかわいい 妹さんがいるとは。」

高畑「どうりで 北村が いそいそと 原稿 取りに行く訳だ。 ハハハ!」

北村「え?」

福田「行ったら なかなか戻ってこないし。」

北村「いや 別に そんな…。」

高畑「いっその事 ここに アルバイトに来てもらったら。 もっと 仕事に 精が出るんじゃないか?」

豊川「いやいや 逆効果かもよ。 北村は そわそわして 仕事が 手につかなくなるんじゃないの?」

(笑い声)

北村「編集長まで!」

いずみ「失礼します!」

男「じゃあ よろしく。」

いずみ「あれ?」

郁子「はい。」

いずみ「加納さん?」

郁子「あら 水木先生の奥様の?」

いずみ「妹の いずみです。」

郁子「どうしたの?」

いずみ「ちょっと 届け物があって。 郁子さんは どうして ここに?」

郁子「うん ちょっと 仕事でね。」

いずみ「あ…。」

<ちょうど その頃…>

嵐星社

編集部

浜野「深沢さん うちと組んでみませんか?」

深沢「え?」

浜野「私達は 青年漫画誌を手に入れる。 そちらは 十分な資金と 環境を手に入れる。 お互い メリットのある話でしよ。」

<『ゼタ』の編集部では 思いがけない話が 持ち上がっていたのです>

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