連続テレビ小説「ゲゲゲの女房」第140話「人生は活動写真のように」

水木家

客間

布美枝「銀座に移転したんですか?」

浦木「やはり 広告業といえば 銀座でしょう。」

茂「銀座といっても 広いからなあ。」

浦木「ええ場所だぞ。 歌舞伎座のすぐ裏だ。」

布美枝「あら すごい!」

茂「どうせ 雑居ビルの地下倉庫の隅っこでも 借りとるんだろ?」

浦木「あれ? お前 何で知っとるんだ?」

茂「やっぱりなあ。」

浦木「おい! そんな事よりな 俺 とんだところを 見ちまったぞ!」

茂「何だ?」

浦木「イトツの奴 年がいもなく 浮気しとるんじゃなかろうな。」

2人「え?!」

浦木「妙齢の女性と寄り添って いや そういえば 腕を組んでた気もするな!」

茂「おい おい! ええ加減な事 言うなよ!」

浦木「俺を信用せんのか?」

茂「せん。」

浦木「はあ~ じゃあ 聞くがな イトツ 今日は 家におったか?」

茂「ん?」

布美枝「久々に お芝居 見に行くと言って 出かけられました。」

浦木「ほら見ろ 若い女 連れて 銀ブラと しゃれこんどったのは やっぱり イトツだ。」

布美枝「銀ブラって 道を聞かれてただけですよ。」

茂「ああ そげだな。」

浦木「いや 2人並んで歩きながら 角を曲がっていったぞ。」

布美枝「道案内してただけですよ。」

浦木「やれやれ 奥さんは その道には 疎いですからなあ。」

布美枝「まあ。」

浦木「おい ゲゲ! あれは 老いらくの恋という やつかもしれないぞ。」

茂「だら言うな!」

浦木「ん?」

茂「イトツは 幾つだと思っとるんだ?」

浦木「年寄りだからって 油断できんぞ。 愛人バンクなんてものが はやるご時世だ。 ハハハ!」

布美枝「愛人バンク?」

茂「おい くだらん邪推をするなよ!」

浦木「何だよ 俺は いつもの親切心から 知らせに…。」

茂「そげな話 まさか イカルの耳には 入っとらんだろうな?」

浦木「それは もう…。」

布美枝「どげに恐ろしい事になるか 分かりませんよ。」

茂「言うなよ!」

浦木「ああ。」

茂「絶対に言うなよ!」

浦木「わ 分かりました。」

茂「分かったら もう帰れ!」

浦木「いや いや!」

<久々に現れた浦木は また とんでもない情報を 持ってきました>

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