連続テレビ小説「ゲゲゲの女房」第152話「ありがとう」

台所

ミヤコ「邦子さん!」

邦子「はい。」

ミヤコ「部屋には おらん!」

邦子「フミちゃんなら さっき もう 帰られ…。」

ミヤコ「お父さんだがね! お父さんが おらん。」

邦子「ご不浄じゃないですか?」

ミヤコ「見たけど おらん!」

邦子「ええっ?! まだ 1人では 歩けんですよ。」

ミヤコ「そげだがね。」

仏間

源兵衛「おばば…。 貴司…。 布美枝達を頼むぞ。 わしは 行ってやれんけん 代わりに 守ってやってごしえ。」

水木家

台所

茂「ようけ もらってきたなあ。」

布美枝「今年は おいしく出来たって 梅干しも 持たされました。」

茂「うん 蜂蜜が利いとる これは うまいな!」

布美枝「お父さんは 先見の明がありましたよね。 戦時中に始めた 蜂蜜作りで うちは その後 随分 助かったんですよ。」

茂「うん。 おやじさんは 大局観を持っとるな。」

布美枝「碁の腕 磨いとけって 言っとりましたよ。」

茂「この前は してやらてたが もう 手筋は 読めた。 この次は 負けんわ。」

布美枝「大丈夫ですか? うちの父は 段持ちですよ。」

茂「何段だ?」

布美枝「アマの四段と聞いとります。」

茂「何だ 通りで 強いはずだ!」

布美枝「お茶 いれましょう。」

茂「ああ。」

布美枝「この次か…。」

<この次は もう ないかもしれない。 布美枝も茂も 心のどこかで 覚悟していました>

スポンサーリンク







シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする

スポンサーリンク