連続テレビ小説「ゲゲゲの女房」第152話「ありがとう」

(2人の笑い声)

ミヤコ「まあ チヨちゃん! 久しぶりだねえ。」

チヨ子「ごぶさたしちょ~ます!」

ミヤコ「家の人達は みんな お元気かね?」

<遠く離れている ふるさとの人達も 自分や家族を 気遣ってくれている。 布美枝の胸に 温かいものが 込み上げてきました>

台所

布美枝「昔は よう こうやって 2人で 台所に立ったね。」

邦子「歌 歌って お父さんに叱られて。」

布美枝「あの頃の お父さん 怖かったけん。」

邦子♬『夕焼け小やけの赤とんぼ』

2人♬『負われて見たのは いつの日か』

布美枝「やっぱり 私達 ほんとに 上手にハモるわ。」

邦子「ほんと。」

布美枝「邦子さん。」

邦子「ん?」

布美枝「いろいろ だんだん。」

邦子「え?」

布美枝「ほんの 3日ばかりしか手伝えんで 明日には もう東京に戻らんといけん。」

邦子「家 長い事 空けられんもん しかたないわね。」

布美枝「いろんな事 任せっきりで。」

邦子「フミちゃん…。」

布美枝「お父さんの事も ようしてもらって。」

邦子「私ね お嫁に来てから お父さんには 随分 叱られたわ。 昔は ここで こっそり 泣いとった事もあるよ。」

布美枝「うん。」

邦子「でも この間…。」

回想

邦子「今日は 少し冷えますね。 毛布1枚 増やしましょうか。」

源兵衛「いらん。 そげに 着せられたら 重くてかなわん。」

邦子「すんません。」

源兵衛「邦子。」

邦子「はい。」

源兵衛「わしは 運が ええな。」

邦子「ん?」

源兵衛「娘が そばにおって こげに 世話してくれ~だけん。」

邦子「え? お父さん 今 何て言いました? お父さん?」

源兵衛「『うちの娘だ』。 そう言ったんだ。」

回想終了

邦子「あげな事 言ってもらえたら お世話のしがいもあるわね。」

布美枝「うん。」

ミヤコ「邦子さん。」

邦子「はい。」

ミヤコ「つめ切りは どこだかね?」

邦子「茶ダンスの引き出しの中です。 私が出しますけん。」

ミヤコ「見あたらんのだわ。」

邦子「ここに入れたはずですけど。 あ… こげなとこに紛れとった。」

布美枝「ほんとに 親子だわ。」

源兵衛の部屋

(小鳥の鳴き声)

布美枝「また 近いうちに来るけんね。 今度は 藍子達も連れて。」

ミヤコ「そげしてごしない。」

源兵衛「度々 来んでも ええ! 一家の主婦が 軽々しく 家を空けたらいけん。」

布美枝「はい。」

源兵衛「村井さんも 子供やちも ここからが 正念場だ。 今ちょっこし ええからと 油断しとったら いけん。」

布美枝「はい。」

源兵衛「村井さんに 伝えてごしえ。 いずれ 一戦 交えに行くけん 腕 磨いて 待っとれと。」

布美枝「はい。 ほんなら 行くね。」

源兵衛「うん。」

布美枝「大事にね。 お父さん!」

源兵衛「はい。」

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