連続テレビ小説「ゲゲゲの女房」第50話「私、働きます」

こみち書房

布美枝「靖代さん どうしたんですか?」

靖代「始めたのよ これ。」

布美枝「ロザンヌクリーム?」

靖代「そう。」

徳子「『こんにちは! ロザンヌレディでございます』って 売りにくる あれ?」

和枝「靖代さんが ロザンヌレディ?」

靖代「ロザンヌレディでございま~す!」

3人「え~っ!」

靖代「お客さんに 進められたのよ。 おかみさんだったら トップセールス狙えるって 言うもんだからさ つい。」

キヨ「あんた 銭湯の方 どうするんだよ?」

靖代「嫁が手伝うって。 『お母さんも 番台に ずっと座ってるよりも 化粧品 売って あちこち 歩き回った方が お体に よろしいんじゃ ございませんか』だって。 いいとこあんのよ うちの嫁も。」

キヨ「体よく 追い出されたんじゃない?」

和枝「プッ!」

靖代「違うわよ!」

徳子「それで 売れたの?」

靖代「今から 売るとこ。」

徳子「え?」

靖代「買って お願い! まだ 全然 売れてないの。」

2人「え~っ?!」

キヨ「幾らだい?」

靖代「2,000円。」

布美枝「高い!」

靖代「ねえ 徳子さん!」

徳子「あああ~!」

靖代「和枝ちゃんも」

和枝「あ 私 店に戻んなきゃ。」

徳子「店 予約入ってたんだ! じゃあね!」

靖代「あんた達 待ってよ! 長いつきあいじゃないの!」

キヨ「まあ あんなんで 高級クリームが 売れんのかねえ?」

布美枝「うん。」

美智子「あら? 靖代さん達 帰っちゃったの? ねえ 布美枝ちゃん ちょっと 上がってって。 蒸しパン 作ったから。」

布美枝「いただきます。」

田中家

美智子「三海社の社長さん 入院なさってるの?」

布美枝「はい。 もう1か月になるんです。」

美智子「まあ 結核か? 大丈夫かなあ。」

太一「それで 漫画の続き 出なかったんですね。 俺 そろそろかなあと思って 待ってたんですよ。」

布美枝「ちょうど うちの人が 原稿を持ってった日に 深沢さんが 倒れて。 本の出版も それっきり中断したままなんです。」

太一「また 新しい漫画 出るんですか?」

布美枝「ええ。 今度は 『河童』の漫画。 『河童の三平』って いうんですよ。」

太一「『河童』かあ。 楽しみだな。」

布美枝「うちの人も いいもんにするって 張り切っとるんですよ。」

美智子「それじゃ ますます 社長さんに 早く戻ってきてもらわないとね。」

布美枝「はい。」

<ところが…>

スポンサーリンク







シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする

スポンサーリンク