連続テレビ小説「ゲゲゲの女房」第52話「私、働きます」

水木家

布美枝「ただいま戻りました~!」

茂「おう。」

布美枝「あら 寝てなくて 大丈夫なんですか?」

茂「少し寝たら すっかり 元気になった。 熱も下がったぞ。」

布美枝「ああ…。 すんません。」

茂「…どげした?」

布美枝「原稿料 半分しか もらえませんでした。」

茂「はあ ハッハハ! やはり手ごわかったか。」

布美枝「役に立てなくて 申し訳ありません。」

茂「いや~ 俺が行っても同じだよ。 あれは 富田より強欲だな。」

布美枝「あ…。 これ! 飲んで頂きたくて。」

茂「うん。 コーヒーか! 珍しいな。 いつもは 『節約 節約』言ってるくせに。」

布美枝「一生懸命 働いて 下さっとるんですけん これぐらい いいかな と。 いれましょうか? ああ 風邪の時に コーヒーは いけんかな。」

茂「ええぞ。 俺が いれる。」

(置時計の時報)

布美枝「あ 私は ええです。」

茂「何でだ?」

布美枝「コーヒー豆 ちょっこししか ないですけん あなたが飲んで下さい。」

茂「ええけん 飲め。」

(コーヒーを いれる音)

茂「よし。 砂糖は幾つだ?」

布美枝「本当に ええです。 あなたのコーヒーですけん。」

茂「遠慮するな。 あんたも 嫌な思いして 原稿料 もらってきたんだろ?」

布美枝「え…。」

茂「もう一つ入れるか? 相当 言われたな。 漫画 見たのか?」

布美枝「…はい。」

茂「驚いたろうな。」

布美枝「何も話してくれんのですもん…。」

茂「柄のもない少女漫画 描いて 名前も女の名前で 今度ばかりは ちっと 具合 悪かったけん 言いそびれたわ。」

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