居間
布美枝「まあ かわいい! ありがとうございます!」
茂「よかったなあ 藍子!」
浦木「おや! さっきの俺への挨拶とは 全然 違うじゃないか?」
茂「そりゃそうだろ? お前が持ってきた 出産祝は これだぞ! 今頃 名付けの本を 持ってきて どげするんだ! 名前は とっくに付いとるぞ! これも! 生まれたのは 男の子だと思っとったのか?」
浦木「細かい事 言うなよ。 いいじゃないの! どっちも 俺が プロデュースした本だ。 しかも この名付けの本は はるこさんに カットを描いて頂いとる。」
布美枝「あら そげですか?」
はるこ「大した事ないです。」
茂「おい 何だ これは?」
浦木「え?」
茂「ええ加減な 図解だな。 お前 こげな本で商売しとるのか?」
浦木「ええ加減とは 何だ! 一応 それなりの専門家には 頼んだぞ。」
茂「どうせまた 安く叩いて 浮かせた金を 自分のポッポに入れたんだろ?」
浦木「いらん事 言うなよ おい!」
はるこ「浦木さん そんな事してたんですか?」
浦木「これには いろいろと 事情がありまして。 おい ゲゲ。 ちょっと 戦記物の漫画 描いとるくらいで 知ったふうな顔して。」
茂「知ったふうとは 何だ! 俺は よく知っとるんだ! 戦記物を描くために 戦艦まで 自分で作ったんだ。」
浦木「お前 いつ造船所に入ったんだ?」
茂「待っとれよ!」
浦木「何が?」
茂「待っとれよったら 待っとれよ! ええ加減!」
はるこ「何が出てくるんでしょう?」
布美枝「さあ?」
浦木「何だ? それ。」
茂「見ろ! これが正しい戦艦長門だ!」
一同「うわ~!」
<それは 驚くほど 精巧に作られた 戦艦の模型でした>