連続テレビ小説「ゲゲゲの女房」第93話「来るべき時が来た」

居間

茂「お~ がいに太っちょ~なあ はち切れそうだ。 うむ 見事に緑色しとるわ。」

布美枝「キャベツは たっぷり お肉は ちょんぼし。 けど ニンニク入っとりますけん 力 つきますよ。」

茂「うん うまい。 上等 上等。」

布美枝「あの…。」

茂「ん?」

布美枝「『余計な事するな』って 叱られるかもしれんけど…。」

茂「何だ?」

布美枝「今までは テレビと ご縁がなかったですけん。」

茂「うん。」

布美枝「もしかしたら こげなものでも ちょっこし 役に立つかと思って…。」

茂「何だ? 早こと言え。 テレビに関係ある記事 集めてみたんですけど…。」

茂「うん。 うん… これは ええ。 ちょうど こういうのを探しとったんだ。」

布美枝「え?」

茂「う~ん。 そうかあ… テレビカメラは こげなっとるのか…。 ほい。 飯が済んだら それに貼っといてくれ。」

布美枝「は… はい。」

茂「はは~ん そうか そうか。 こういう仕組みか…。」

2階

布美枝「これは テレビ局だから こっちに貼って…。 よかった。 役に立てとるみたい…。」

藍子「お母ちゃ~ん。」

布美枝「どげしたの? 目が覚めたかね。 お母ちゃん ここに おるよ。」

居間

布美枝「お父ちゃん スクラップ出来たよ。」

茂「おう。」

布美枝「お腹すいたでしょう? おにぎり握ろうか?」

茂「うん。 よいしょ。」

布美枝「何?」

茂「『テレビくん』だ。」

布美枝「うわ~… かわいい!」

茂「うん。 なかなか ええだろう?」

布美枝「うん。 ほっぺが ぷくぷくしとって 藍子の赤ちゃんの時みたい。」

茂「これなら 子供にも好かれるな。」

布美枝「はい。」

茂「じゃあ 続き 描くか。 おう これ。」

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