授賞式
深沢「よう 戌井さん。」
戌井「ああ どうも。」
深沢「やったね 水木さん。」
戌井「ええ。 遅すぎるぐらいですよ。」
郁子「あら あの人…。」
戌井「あ…。」
浦木「よう 来てたか。」
戌井「ええ。」
浦木「あ… 郁子さん。」
郁子「こんにちは。」
浦木「こんにちは。」
深沢「ん?」
郁子「水木先生のお友達です。 広告の仕事で 雄玄社とも おつきあいがあるとかで…。」
深沢「どうも 嵐星社の深沢です。」
浦木「う~ん いい男…。」
深沢「ん?」
豊川「『ゼタ』の深沢さんですか?」
深沢「ええ そうですが…。」
豊川「『少年ランド』の豊川です。」
深沢「ああ どうも。」
戌井「あなたが 豊川さん…。」
豊川「『悪魔くん』の戌井さん?」
戌井「戌井です。」
豊川「よく来て下さいました。 私 今日の喜びを ぜひ お二人と 分かち合いたいと思いまして。」
深沢「よろしく。」
豊川「さあ 奥へ どうぞ。 賑わってますよ。 じゃ。」
浦木「あ あの… どうも。」
豊川「どなたでしたっけ?」
浦木「また そんな…。」
豊川「さあ どうぞ。」
深沢「じゃ お先に。」
司会者「続きまして 第6回 雄玄社マンガ賞を受賞されました 水木しげる先生より お言葉を賜ります。」
(拍手)
茂「え~っ この度は このような 立派な賞を頂きまして 誠に ありがとうございます。 自分は 長らく 貸本漫画を描きつづけていて…。」
深沢「堂々としたもんだな。」
戌井「ええ。」
浦木「とちるなよ ゲゲ。」
茂「だから 今回の受賞には 大変 驚きました。 『テレビくん』は より多くの子供達に 楽しんでもらえるように 苦心しました。 その かいもあってか このような賞も頂けたのだと 思っています。 今後も 努力を怠らず 描き続けていきます。 え~っ ありがとうございました。」
(拍手)
記者1「先生 今のお気持ちは?」
記者2「先生 これからの 作品のご予定は?」
豊川「え~っ 先生は 現在 『週刊少年ランド』にて 『墓場の鬼太郎』を 連載中でございます。 今回の受賞を弾みとして…。」
戌井「水木さん とうとう 飛び出していきましたね。 日の当たる表舞台に。」
深沢「うん。」
浦木「43歳か。 ふふん 遅いスタートだ。」
深沢「まあ それだけ 十分に 力を蓄えてきたって事さ。」