村岡家
居間
英治「嘉納さんところの番頭が 届けに来たんです。」
平祐「蓮子さんのものが入ってるのか。」
龍一「鍵が掛かってますが そうだと思います。」
郁弥「こんばんは~。 あれ? 何だ…。 花子さんも歩もいないのか…。」
英治「甲府の実家に帰ってるんだ。」
龍一「どうも。」
郁弥「お客さん?」
英治「うん。」
かよ「こんばんは。」
郁弥「あっ かよさん!」
夕飯
郁弥「宮本さん どこかで会ったような 気がするんだけどな…。」
平祐「カフェー ドミンゴだろ。」
郁弥「ああ! 僕も あそこの常連なんですよ。」
龍一「ああ…。」
郁弥「あっ …で 兄とは どこで?」
(戸とたたく音)
郵便配達員『村岡さん。』
英治「はい!」
玄関
郵便配達員「電報です。」
英治「ご苦労さまです。」
居間
英治「宮本さん! 電報です!」
かよ「大変じゃん。 すぐ行かんと!」
龍一「かよちゃん ごちそうさま!」
英治「あっ。」
郁弥「What’s going on? 宮本さん どこかへ行くんですか?」
<1人だけ 事情が全く 分かっていない人がいるようです。>
安東家
寝室
花子「蓮様 大丈夫?」
蓮子「もう平気よ。 ありがとう はなちゃん。」
ふじ「蓮子さん 無理しちゃいけんよ。 寝てろし。」
蓮子「本当に もう大丈夫ですから。」
花子「駄目よ 蓮様 横になって。 赤ちゃんに障ったら大変だわ。」
蓮子「はなちゃん そんなに心配しないで。 これが初めてのお産じゃないから。」
居間
吉平「蓮子さんの旦那は まだ来んだか?」
リン「さっき 電報打ったばっかで ほんな すぐ 東京から来られる訳ねえじゃん。」
ふじ「てっ リンさん いつの間に。 電報って?」
リン「心配しなんでも 『蓮子 産気づく』って ちゃんと打ったさ。」
ふじ「てっ! ほんな電報 打っちまっただけ。」
リン「婿殿が 生まれそうだって 慌ててたじゃんけ。」
ふじ「生まれるのは まだまだ先。」
吉平「何でえ… まだけ。」